感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
108
堕落した人類のかわりに鳥たちが地球を支配するようになるのだが、その鳥たちの間でも分裂や争い、差別などが始まって―――。手塚治虫特有の巧みなストーリーテーリングのかわりに鋭い文明批評が展開される。結末の強烈なブラックユーモアには圧倒された。ある意味でヒューマニズムの人、手塚治虫が抱えていた心の闇が良く分かる作品だと思う。2015/07/04
あたびー
37
持っているのは違う版。2024夏のBRUTUSで怖いと上げていらっしゃった方がいたので、ふと再読。空を飛ぶものが知的生命体であるべきと言う地球外からの意志によって脳が発達した鳥類。人間を支配し家畜化した彼らは、しかし人間の文化と悪癖を受け継いでいた。種ごとの食習慣によって対立したり、階級や差別を作り出したり。そして地球外の意思も、結局人間社会と同じ穢い闘争は例外では無い。手塚治虫の絵は常に愛嬌とデフォルメが効いているが、前編に溢れる殺戮と食肉、特に同類食は凄まじいばかり。怖いと思うかどうかは読み手次第。2024/08/09
nonsugar
3
酔っ払った父がチョイスした漫画。手塚治虫独特の優美な女性らしい曲線は鳥にも有効なんだなあ。人間が人間であることへの強烈な皮肉が全編にわたっているのだけど、第6章のブラックバードみたいに一見いい話なのにどこかぞっとするあたりがやっぱり手塚治虫先生だなぁと。面白かったー。2009/02/26
AnoA
2
おそらく中学生の頃に読んだ。影響を受けたマンガの3本指に入ると思う。二十ウン年ぶりに読んだらやっぱり面白かった。2022/02/06
唄湖
2
皮肉たっぷり、風刺詰め込みまくりで進んだ「鳥人大系」が丸投げエンドだったのが不思議であとがき読んだら「飽きがきてやめさせてもらいました」ちょwwおまwwwwwこれが許されるのが、手塚治虫という巨匠なのだと実感。2016/03/09