内容説明
冴えない日々を送る高校生、大橋賢三。山口美甘子に思いを寄せるも、彼女は学校を中退し、着実に女優への道を歩き始めていた。そんな美甘子に追いつこうと友人のカワボン、タクオとバンドを結成したが、美甘子は女優として鬼才を発揮しながら共演の俳優とのスキャンダルや秘められた恋を楽しんでいた…煩悩ばかりで健気な賢三と自由奔放な美甘子の青春は交錯するのか?青春大河巨編、ついに完結。
著者等紹介
大槻ケンヂ[オオツキケンジ]
1966年東京都生まれ。82年「筋肉少女帯」を経て、現在はロックバンド「特撮」で活動。2006年12月より「筋肉少女帯」再結成。その特異なキャラクターは映画、テレビ、小説やエッセイなど多岐にわたる分野で人気を集めている。著作「くるぐる使い」「のの子の復讐ジグジグ」は2年連続で星雲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
152
お~、これで三部作もおしまいですな。何のために生まれ、何のために生きていくのかということに悩み、アイドルのグラビアでこきまくってしまう愛すべきオナニストたる少年諸君。彼らはまだ未熟なだけで真面目に精一杯生きている。どう生きたらいいのか、必死にもがきながら…。甘くしょっぱい青春グラフィティ。大槻さん、初読みだったけど、おバカな中にもどこかしんみりな読書タイムでした♪ 2022/08/30
海月
64
完結編。ケンヂ氏の書きたいことをふんだんに書いたような内容。 途中のジーさんとの修行はページの無駄なような気もしたが最後のことを考えると必要か…。上手いことまとめてあって最後まで楽しめました! 2023/11/10
oser(読書家ではありませんドクシャーです)
52
これは楽しい作品。 …オーケンは青春を切り取るのがホントに上手。(しょーもない事で一喜一憂したり、過剰に自分を強く思えたり…若さの故の誤りとでも言うのでしょうかね。) …誰もが青春期に体感したであろう、焦りや葛藤、高揚をオーケン特有のサラサラした文体で描かれており良き良き良。 …3作総じて楽しくて面白いのですが、3作目(パイン編)のみスピード感増し増しでビビりピリピリ。 …青春時代に一度、そこから20年後にもう一度読み直すとグッときます。…多分。2024/07/12
アマニョッキ
43
ああ、読み終わってしまった、、、今読んでもこんなにのめり込めるなんて、最強に馬鹿で素敵な青春小説。いや、青ではなく赤だったな。赤い赤い暴走小説。でもこの小説に救われた若者がこれまでに数多くいたことは間違いない!若者よ、それが普通だと!これでいいのだと!中学生のときにいちばん聴いてたアルバムが「SISTER STRAWBERRY」だと言えなかったあの頃のいくじなしの私に教えてあげたい。これでいいのだ!これでいいのだ!2017/07/12
TATA
36
オーケンさんの青春聖典完結。バカで鈍臭くてええかっこしいで、かつリビドー全開のオーケン君。何もできないことに気付き、どん底に落ちて、そこからの疾走劇。文章は決して上手じゃないし、おかしなエピソード満載なんだけど、それでもラストシーンは感動します。迎え入れてくれる仲間がいてくれればそこからまた再出発すればいい。悩んでグジグジしてるのは自分だけじゃないっていうことをしっかり教えてくれる一冊。若い人が読むべきかなあと思うけど、おじさん世代のほうが響くんだろうな。山之上クンが一番好きかな。2020/12/19