内容説明
博物学は観察して目玉を楽しませる行為であり、記述する楽しみである。地球の上を実際に歩き、生きているモノを自分の目でみて確かめる。そこから、擬態や植物地理学、さらには進化論までもが啓示された。生物を分類したリンネ、変異や特異性に注目したビュフォンやジョフロワ、生物地理学を創始したフンボルト、機能による分類を達成させたキュヴィエ。そして死と繁殖の観念から歴史としての生物論に到達したエラズマス・ダーウィン―。楽しみの学問から様々な知の体系が花ひらいたのである。荒俣宏が時空をまたにかけて案内する、博物学入門の決定版。
目次
近代以前の博物学―寓意から占いまで
探検博物学のあけぼの
未知の大陸をもとめて
世界をかけめぐる探検家
博物学の熱中時代
地球観光旅行としての博物学
自然物の体系化
分類学の完成
夢の魚をめぐって
視覚の快楽、博物図鑑の楽しみ
進化論の衝撃
江戸の博物学
海を渡った江戸の動物たち
江戸の博物図鑑はどうしてできたか
地下に眠る博物館の夢
超人の夢 南方熊楠
著者等紹介
荒俣宏[アラマタヒロシ]
1947年、東京生まれ。慶応義塾大学卒。膨大な知識を駆使してジャンルを超えた文筆活動を展開。幻想文学、オカルト、博物学、図像学を流行らせた張本人
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