内容説明
望月は、自分の気に入った仕事しか引き受けないカメラマンだ。芸術家や職人になりたいわけでもない。彼はただ、人生の一部を探し求めるため、ファインダーに向かい、被写体を狙う―。望月の行動を通して、少年に生きる勇気を教える表題作をはじめ、男の仕事の在り方を綴った「男たちの湖」他、全8編を収録。北方文学、初の連作短編集。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年佐賀県唐津市生まれ。中大法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞受賞
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感想・レビュー
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はつばあば
53
北方さんを読まれる若い方はもうおられないのかなぁ。確かに今の若者には縁の無い学生運動。大人しくヘイヘイと聞いてりゃ親やオギママさんが上手に回してくれている現状。殴ったり蹴ったり・・北方さんの小説の中は暴力的だが陰険さがない。負けやしないが酒と煙草で終ってしまう場面が多い。カメラマンの望月のように斜に構えた男はもういない。次は北方さんを兄ぃと位置付ける今野さんを間に挟もう。2018/05/07
hede-mic
0
北方作品(たぶん)初です。 友人の勧めで読んだスペンサーシリーズや有名な新宿鮫シリーズなどハードボイルド作品は読んだことがありますが、これぞジャパニーズハードボイルドなのでしょう。主人公を筆頭にしたスパっと切り落としたような「口調」に含まれた「性質」が自分の中にないことを再確認。短編であるためかストーリー性よりそういった側面を強く感じられました。 いわゆるハードボイルドの世界をのぞき見たい方にはオススメしてよいのではと思います。2016/03/21
ギントン
0
良くも悪くも北方節だ。2014/03/18
須戸
0
アクションシーンが心に残った。その代わり、それ以外は残らなかった。 状況は違っていても主人公が相手に喧嘩を売るということが繰り返され、結果も毎回同じなので退屈に感じた。 世代が違うから合わないのかもしれない。