内容説明
昭和19年、満州。甘粕正彦を魅了した4歳の少女がいた。天性の美貌を持つ信子は、のちに少女画家中原淳一の目にとまり、「浅丘ルリ子」として銀幕に華々しくデビューした!時は裕次郎、旭、ひばりを輩出した昭和30年代。スクリーンの太陽と大輪の花に、国民は酔いしれた!!めくるめく恋と冒険、スターがスターであった時代の燦めく青春と喝采の日々。自分を貫き生きる女優の、超然とした姿を描ききった傑作大河ロマン。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年、山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒。85年「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞、95年『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞、98年『みんなの秘密』で吉川英治文学賞を受賞。96年小説『不機嫌な果実』がベストセラーになり、映画化される。99年エッセイ『美女入門』が話題になるなど、小説、エッセイ両分野で活躍中。直木賞選考委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エドワード
14
日活映画黄金時代を私たちは知らない。浅丘ルリ子、吉永小百合、石原裕次郎、小林旭はみな貫録のある大スターとして知っている。この小説は彼女たちが青春映画のスターだった時代を描いている。時は流れ、裕次郎も美空ひばりも逝ってしまう。浅丘ルリ子さんは今でも美人女優さんとして健在だが、ここまで来る道は決して平坦ではなかったのだな、と思う。歴史は繰り返す。私たちの憧れた昭和のスター達、今をときめく平成のスター達もやがて去っていくのかと思うとしみじみしてしまう。2011/07/05
まきこん
13
★★★★☆朝丘ルリ子さんの足跡を林まりこが描いた作品。今までは、単なる昭和初期に活躍したスターという目でしかなかったが、併せて若かりし頃の画像も見て、サバサバした性格とあり得ない美しさにファンになってしまいました。 石原裕次郎や小林旭、美空ひばりなど往年の大スターの凄さも読んでいて楽しかったです。2014/06/22
元気伊勢子
11
いつもの意地の悪い感じは、封印している様で少し物足りなさもあったが、昭和の芸能界のきらびやかさを楽しめたので良かった。2022/03/21
カナリア
10
浅丘ルリ子を映画で見たとき、本当にこの人は日本人なのかと親に聞いたほど、びっくりしました。当時の私は、中学生。浜崎あゆみが流行っていたのに、なぜか私の中で浅丘ルリ子と岸恵子が流行っていました。そんな憧れの女優さんの恋と仕事の人生を詳しく知ることができて良かったです2015/04/05
てふてふこ
10
戦中~現在まで、実在するスター達を浅丘ルリ子さん目線で語るお話。しょうがないが、やはり遠慮が垣間見え興味が満たされない。でも、裕次郎さん・ひばりさんの魅力がひしひしと伝わって、亡くなった事が今更ながら悲しく思った。2013/01/14