内容説明
突然芸能界のスターになってしまった恋人とつきあい続ける女の子が、バレンタインのチョコを嫌悪する彼に感じた二人の距離。贅沢とセックスを教えてくれた青年実業家が事業に失敗し、新しいパトロンを紹介することで示してくれる最後の「愛情」。何かが違う…との思いを捨て切れぬまま、目の前の安逸な欲望に身をゆだねる女たちの甘くほろ苦い哀しみを切々と描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
20
軽く読めるの男女に関する短編集。昔の林真理子さん独特の恋愛だった。バブリーな感じ2023/03/04
アコ
15
9篇収録の短篇集。(1篇は5話構成の掌篇)1997年刊なので女性たちが窮屈そうなのが目につく。門限厳守や大学在学中に婚約とか。またバブリーな雰囲気もふんだんに。(って現在もそういう生活をするひとたちはいるね笑)林さんの短篇はリラックスして読めるのでふとしたときに手にしてるけど、この短篇集は他のものよりどこか終わりが曖昧で軽めなのになにか重いものが残る読後。20年前もいまも、そしてもっと昔まで遡っても、きっと女の根底にあるものって変わらないんだね。【解説:山本文緒さん】2016/06/01
ゆきえ
11
徹夜して暇だったので、軽いものを再読再読。特別おもしりわけではない。2017/10/14
わむう
3
20年前の短編集。公衆電話とか写るんですとか懐かしい。自分の若かりし頃(青春)を思い出します。2015/06/17
レイタ
2
再読。日常にある悪意や裏、嘘を覗いた短編集。「女というのは声が一番正直らしい(中略)声が先ほどから絵里子を裏切る」/「自分専用のくぼみがあることと、それを使おうとする積極性とは別のものだ」本人の露出を先に知ってるので、小説上手いんだなと思った。(小並感)産まれた時からティファニーのベビーリングを嵌めていたみたいと言われて喜べる感覚がないのだが、そういう女性を書くのも上手い。本人もそういうタイプにはみえないが、取材なのかな。しかしこういう日常の不幸と悪意の話ばっかり読むと病みそう。2017/02/16