内容説明
氷雨の浅草寺境内で若い女性の全裸死体が発見された。太腿には、上品な顔立ちとは不釣り合いなバラの刺青が彫られていた。「被害者は岐阜市内の旧家の長女では…」という通報により、事件を担当する十津川警部は岐阜に飛ぶ。通報通り、被害者は3年前に家出した良家の娘で、イヴと呼ばれていたことがわかった。捜査を進めると事件の影に十津川の婚約者の存在が浮上し…。―女性の空白の3年間を追う、迫真のサスペンス。
著者等紹介
西村京太郎[ニシムラキョウタロウ]
1930年東京生まれ。65年『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞受賞。81年『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞受賞。2004年には第8回日本ミステリー文学大賞を受賞。トラベル・ミステリーで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オーウェン
55
浅草寺で見つけられた女性の死体。 太股には刺青が入っており、十津川警部は女性の身元から事件を捜査していく。 この作品は十津川警部のプライベートが関わってくる。 それは婚約者であり、現在は距離を置いている存在。 密接に事件に絡むと同時に、失踪という形で行方をくらます。 結局十津川は向き合うことが出来ず、表面上事件の捜査が大事というスタンスを崩さず。 後の十津川警部を語る上でも重要なエピソードになるが、後味を含め何とも思い余韻が突き付けられる。2024/05/13
朱雨
10
十津川シリーズ。旧家のしがらみというのか、名家ってそんなに大事なものなのだろうかと疑問に思わされる作品でした。十津川にいつの間にか婚約者がいる展開にまず驚き、軽い気持ちで読み始めましたが、終始暗い気持ちにさせられました。登場する女性たちが悲しすぎます。2023/01/13
グリーン✵ドラゴン
2
若い女性の遺体が発見され 手がかりは薔薇の刺青 そこから十津川が事件を捜査する。 その女性の空白の時間を追い求めるうちに十津川の恋人が、事件に巻き込まれていく。 早くから犯人はわかるがなかなかそこまで到達せず推理も今一歩のところ、読んでいるこちらも早く! となってしまう 西村京太郎の小説の中でもベストといえる話ではないだろうか? 特にラストと後味の悪さ 再読すべき小説だと思う2012/06/08
ぽんかん
1
こういうのでいいんだよ、というミステリー。警察ものは苦手だが、これは好きです2021/10/30
浅木原
1
岐阜の旧家の勘当された長女が浅草で殺された。同時に十津川の婚約者が失踪する……。って十津川警部あーた婚約者なんていたんですか。十津川のキャラクター的には重要なエピソードだろうけど、作品としては凡作以上のものではない。書きようによってはもうちょっとなんとかなったかもしれない気配はあるのだけれど、十津川シリーズのくくりでは安っぽい2時間ドラマにしかならず。十津川の婚約者も突然出てきたときにはもう失踪してるので愛着も抱きようがないし、ミステリ的にも真相は投げやり気味。精神病院の扱いには時代を感じますのう。2015/11/29
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