感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつうら
25
相場師の山崎種二をモデルにした作品。相場師というと、切った張ったの殺伐としたイメージがあり、なんとなく敬遠していた。しかし本作の春山豆二は、象のような大きな体に、八の字に下がった眉と目という容貌をしている。それでいて、妻の冬子に頭が上がらないのだから、なんとも愛らしいキャラクターだ。 そんな豆二の持ち味はソロバン。相場の売り買いはその場の雰囲気に流されがちだが、豆二は大きな耳で情報を集め、それらを分析した上で理論的に売り買いを決めていた。これが百戦百勝に導くが、だれにでもできることではなかったと思う。2021/12/06
ライアン
17
明治から戦後にかけて活躍した伝説の相場師をモデルにした小説。相場師といえばイチかバチか、伸るか反るか、というイメージだけど堅実にコツコツと稼ぐ主人公豆二のやり方は好感が持てたし、その考えは参考になった。(豆二つまく戦法=ヘッジをかける?)元はお米屋さんの丁稚みたいなのからスタートしたのでお米が大好きで奥さんには全く頭が上がらないそのキャラも良かった(笑)2016/03/03
誰かのプリン
13
山種証券創始者 山崎種二をモデルした小説。先に、幸田真音著「天稟」を読んだので内容は、ほぼほぼ似通っていますが、登場人物が幸田さんの作品にはないほのぼのとしている。面白く読了しました。⭐5 追伸:久々の感想でした。2021/08/05
suzuki hirokazu
9
伝説の相場師であり、山種証券の祖である山崎種二がモデル。「売りの山種」の相場だけでなく人生の考え方までもが心の底まで沁みわたってくる一冊です。その他にも、伊東ハンニや石井定七といった有名な相場師、旭硝子株仕手戦や赤いダイヤ事件、二・二六事件も扱っており、歴史ものとしても楽しめます。やはり、城山先生の本は面白い。2015/09/22
ロッキー
9
一攫千金を狙うのでなく地道に少しずつ稼ぐ。しかし、ここが勝負と思えば勝負に出る。その時でも負ければ全てを失うような勝負をするのでなく、保険をかけておく。また奥さんの存在が良い味を出していると感じた。2015/07/29