感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
35
【再読】ジュブナイルと冠した本書は、登場人物と同じ高校生年代をターゲットにしたものか。大人の世界への憧憬と反発、異性への興味を具現化するSFもの。大人向けの作品では主人公が酷い目にあう展開が多いのだが、本書では成功譚として書かれているのが興味深い。本書のタイトルともなっている短編「ミラーマンの時間」は、ずば抜けた超能力を持たない昌夫が、それでもスーパーマンとは何かに悩みながらも、世界を救うような活躍が何一つできず、悶々とする中で憧れの女子が不良化されていく姿にヤキモキ。しかし、最後の昌夫の決断に救われた。2017/11/26
たか
30
表題作『ミラーマンの時間』など5篇の中編を収録。筒井康隆がティーンズ向けに書いたもので、いつもの筒井節は控えめ。D評価2017/12/29
空猫
28
ティーンズ向けのSF短編集。主人公にSF的な便利道具が手に入るという設定は大人版ドラえもんの様(⬅)エログロは無いけれど、悪事を働くとバチが当たるという事もなく悪人のまま突っ走っていたり、ゆるいながらも筒井節は健在。2017/05/24
アーチャー
18
○十年ぶりの再読です。個人的にはジュブナイル小説といえば眉村卓氏の印象が強いですが〝そんなことばかりしてたら、あとでとんでもなことになるよ〟みたいな筒井康隆氏らしい味わいのある作品を楽しめました。特に「デラックス狂詩曲」「白いペン・赤いペン」がお気に入りです。2013/12/03
シルク
10
ジュブナイル小説ということだけど、筒井氏らしさは健在。それなりに毒もあって面白かった。空を飛ぶというよりも空中浮遊してもがいているようなミラーマンの様子を想像すると爆笑してしまう。2017/04/15