角川文庫<br> おバカさん

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角川文庫
おバカさん

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041245026
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

98
面白かったです。フランスからやってきた大男ガストンさん。迷惑や心配ばかりかけているのに、最初は呆れていましたが、純粋で子供のような心を持つガストンさんがいつの間にか好きになっていました。おバカさんととられそうな行動をしているようですが、人を信じたいという気持ちがあるんでしょうね。かすかにキリストの影を匂わせるのは遠藤周作らしいところですが、極端なところも見られるのでちょっと違和感を感じました。でもガストンさんのように生きられたらいいなと思わされます。2016/02/03

豆ぽち

24
遠藤氏が生前、親交のあったというジョルジュ・ネラン神父をモデルに書かれた小説。2017/02/09

NAOAMI

22
ボクの生まれる前の小説。銀行勤めの独身ぐうたら男、しっかり者の妹、そこにナポレオンの子孫だと言うフランス人がやってくる。馬面でお人よしで弱虫で情けなくて日本語も片言で。「おバカさん」でも只の馬鹿ではない。そこに物語の肝が横たわる。当時の東京の風俗・生活を舞台に、隠語飛び交う異世界をガストンは彷徨う。人を馬鹿みたいに信じて傷ついて。その先にあるのは彼の余韻だけ。結局彼の意図・背景は不明だったが、混沌とした社会には彼のようなピュアさが映える。現代に連なる心の荒廃の根源を見てしまった。昭和から既に始まってたか。2019/06/21

下町ロコモーティブ

20
*1962年発刊。休日に遅くまで寝ている六歳上の兄に妹が「30分前もそうおっしゃったじゃないの」と綺麗な日本語で怒っています。物語は銀行勤めの日垣隆盛のペン・フレンドだったナポレオン末裔らしいフランス人、ガストン・ボナパルトが来日する所から始まります。著名な作家の上品な作品と思いきや戦争中の悲惨な出来事や作者の同じ名前の「遠藤」という殺し屋が登場したり、意気地なしで弱虫で不器用な大男のガストンを中心に後半は壮絶な展開を迎えます。含みを持たせる終わり方など現代にも広く読者に受け入れられる名作だと思いました。2018/03/18

蛇の婿

15
『海と毒薬』から『悲しみの歌』へ行き、登場人物のガストン初登場作品である『おバカさん』へ。この三部作は出版社がバラバラで、なおかつ『おバカさん』が現在入手難になっていることからこんな順番での読み方になってしまいました… そのためエピローグに当たる部分の余韻というか美しさが半減とまではいかなくともかなりトホホな印象になってしまったのが少し残念です。2021/08/04

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