出版社内容情報
夏日が通う大学で教授が突如失踪し、「事情を探る」と言う同級生も大学に来なくなった。部屋を訪ねると本が山積みになっており、「あさとほ」という無名の古典を執拗に調べていたらしい。そして風呂場には彼女の遺体が……。同じように失踪した人が他にもいると知った夏日は、幼いころ双子の妹が失踪した日の思い出を重ねてしまい、恐る恐る調査に乗り出す。はたして単なる”お話”に、生き死にを左右する力があるだろうか? 人間と物語の本質に迫る、精緻を極めたホラーミステリ。
内容説明
大橋夏日の通う大学で教授が突如失踪、事情を探っていた同級生は死体で発見された。彼女は「あさとほ」という散佚した古典文学を執拗に調べていたらしい。訝しむ夏日は、これまで記憶に蓋をしていた双子の妹の存在を思い出す。妹も、自分を主人公にした物語にこだわり、消えてしまった。はたして単なる“お話”に、人の生死を左右する力があるだろうか?人間と物語の本質に迫る、精緻を極めたホラーミステリ。
著者等紹介
新名智[ニイナサトシ]
1992年生まれ。長野県上伊那郡辰野町出身。2021年「虚魚」で第41回構溝正史ミステリ&ホラー大賞〈大賞〉を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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紅羽
9
散逸した古典文学「あさとほ」を巡るホラー作品。主人公の在籍する大学の教授が突如失踪する。そしてその事件を追っていた友人が部屋で亡くなる。彼女が直前まで調べていたのが「あさとほ」。そこから主人公は幼い頃に消えた双子の妹を思い出す。一見それぞれバラバラに見える事件は「あさとほ」に収束されていく。後半はもう主人公が誰なのかで、誰の物語なのかもわからなくなり結構難儀しましたが、面白い切り口の作品で、新しい世界に触れたような読後感を味わえました。2025/06/21
Masaki
0
まず、主人公の双子の妹が消えます。しかも周りの誰もが、そんな子がいたことすら覚えてない。そのあと大学生になった主人公の指導教員が行方不明になり、その原因が「あさとほ」という物語に関係がありそうなことがわかってきます。導入は、非常に面白く、この二つの謎がどう解決するのかと思って読んでいくと、最後はこの二つが絡みあって、終わりますが、これほんとに解決してるのか。ちょっと疑問が残るお話。なんとなく納得はしてしまうのだけど。2025/07/03
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