出版社内容情報
小学5年生の娘・奏を育てる千緒は、自治会を変えようと孤軍奮闘する子ども会会長・剣崎さんの力になるため、子ども会の役員を引き受けることに。男性中心の自治会の在り方、外国人住民への差別、保護者夫婦間のモラハラ問題。目の前の出来事に怒り、落ち込み、迷いながら、千緒は子ども会の活動を通し、「町」と「自分」を見つめ直していく。
【目次】
第一話
第二話
第三話
第四話
第五話
内容説明
ニュータウンブームに乗って発展し、今は古びた住宅が目立つ来泉町。小学5年生の娘・奏を育てる千緒は、自治会を変えようと孤軍奮闘する子ども会会長・剣崎さんの力になるため、子ども会の役員を引き受けることに。男性中心の自治会の在り方、外国人住民への差別、保護者夫婦間のモラハラ問題。目の前の出来事に怒り、落ち込み、迷いながら、千緒は子ども会の活動を通し、「町」と「自分」を見つめ直していく。
著者等紹介
寺地はるな[テラチハルナ]
1977年、佐賀県生まれ。2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞し、15年にデビュー。21年『水を縫う』で河合隼雄物語賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
151
これが答えです。これが正解なんです。そんなことは今作でも寺地さんは言ってない。ましてや子供会だの自治会だもの、全国津々浦々地域色がらみで一括りには出来ない。なのにオブラートに包み込んでも喉に張り付いて引っかかった薬(言葉)の苦さよ。真綿で首を締められたような刺さる思いは、いつかの自分が経験したことだからなのか。今も向き合ってる課題だからなのか。物語は千緒目線で語られているのだが、もうね、ここの皆のその後が知りたくてたまらない。ナイスキャラの友人ヨスコ目線の物語も読んでみたい。2026/10/21
hiace9000
120
田舎自治体が舞台の『きよくしぶとく…』から、今作は身近な町の自治体活動を題材に、人付き合いのとことんリアルと、社会や日常の小さな歪みを描く連作短編。寺地さん目線で描くジェンダー、外国人差別、モラハラなど多様な問題。『声の在りか』主人公ともどこか通じる千緒の人物造形こそが「共感度増幅装置」となっている。人と人は容易にはわかりあえない。わかりあえないからこそ、少しでも共有できる部分を見つけたときの喜びがある。コミュニケーションの楽しさと難しさは、存外そんなところにあるのかも。人を知ることは、自分を知ることだ。2026/10/30
もぐたん
62
自治会、子ども会の役員の面倒くささは、働く母親として実によくわかる。これに加えてPTA活動もある。自分の時間が切実に欲しいと思うものだ。ちょっとお人好しな主人公は、ついつい自治会内の小さな事件に首を突っ込み、巻き込まれてまたため息をつくのだが、やがて、晴れの日ばかりではない自治会でも、その存在意義を感じることができるようになっていく。現実はもっと地域によっていろんな課題がある。生きている限り続く自治会役員。ゆるくつながるコミュニティの理想を掲げる、今まさに読まれるべき、軽やかで眩しい自治会小説。★★★☆☆2026/10/17
tan
28
私もPTA役員や自治役員をやったので、誰もが経験する話で共感する部分も多々あった。運動会など毎年同じネタが繰り返され、変える勇気もやる気もなく、とにかく一年間の役を終えたい。というのはどこの地区も同じ。「変えよう」と声を上げ、自ら旗振り役を買って出る剣崎は凄いと思う。「殿方は手のひらで転がすのが賢いやり方」や男女平等を「時代だね」という正論じみた受け流し方が皮肉めいていて「自分でもついそう思ってしまう所があるな」と思わず苦笑いをしてしまった。2026/10/26
sayuri🍀
26
私の住む町がモデルなのではと思えるほど、リアリティに満ちた物語だった。子ども会やPTA、自治会など、一通りの役員を経験してきた身としては、登場人物たちの気持ちがよく分かる。まれに自ら立候補する奇特な人もいるが、多くの人は「面倒だけれど誰かがやらなければ」という思いで役目を担っているのではないだろうか。高齢男性ばかりの自治会役員の描写には、我が町との共通点を感じた。この町の住民たちもまた千差万別。穏やかな日常の中には喜びもあれば、不穏な出来事も起こる。人との関わりを通して自分自身を見つめ直していく成長物語。2026/10/10




