天馬の子

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天馬の子

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  • サイズ 46判/ページ数 328p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041153055
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

『貸本屋おせん』で日本歴史時代作家協会賞新人賞受賞、
『梅の実るまで』で山本周五郎賞候補となった注目の新鋭が満を持して放つ感涙の長編時代小説!

南部藩の村に生まれたリュウは馬と心を通わせる10歳の少女。厳しい自然のなかで名馬「奥馬」を育てる村では、時に人よりも馬が大切にされていた。リュウの家にも母馬が一頭いるが、毛並みの良い馬ではない。優れた馬乗りだった兄が二年前に亡くなり、家族は失意のなかにあった。祖父は孫娘に厳しく、母は小言ばかり。行き場のない言葉を抱えたリュウが馬の世話の合間に通うのは「柳の穴」と呼ばれる隠れ家だった。姉のようにリュウを見守る隣村の美少女セツ。村の有力者の優しくてドジな次男坊チカラ。「穴」に住む家無しのスミ。そこでは藩境を隔てて隣り合う村の子どもが集まり、自由な時を過ごしていた。

ある日、片腕のない見知らぬ男が「穴」に現れる。「仔は天下の御召馬になる」。馬喰(馬の目利き)の与一を名乗る男はリュウの育てる母馬を見て囁いた。将軍様の乗る御馬、即ち「天馬」。しかし天馬は天馬から生まれるのが世の道理。生まれにとらわれず、違う何かになることなどできるのだろうか? リュウは「育たない」と見捨てられた貧弱な仔馬を育て始める。

村を襲う獣、飢饉、「穴」の仲間や馬たちとの惜別。次第に明らかになる村の大人たちの隠しごと。与一との出会いから大きくうねり始めるリュウと仔馬、仲間たちの運命。なぜ人の命も馬の命も、その重さがこんなにも違うのか。馬も人も、生まれや見た目がすべてなんだろうか。いつか大人になったら、すべてわかる日が来るのだろうか?

生きることの痛みも悔しさも皆、その小さな体に引き受けながら、兄の遺したたくさんの言葉を胸に、少女と仔馬は生きる道を切り拓いていく。


【目次】

第一章 柳の穴
第二章 駿馬の仔
第三章 渡り狼
第四章 馬方節
第五章 飢饉
第六章 馬鈴
第七章 野馬捕り
第八章 シラカンバ
最終章 八高田

内容説明

南部藩の小さな村に生まれた少女リュウ。母馬・生築の世話の傍ら、隠れ家「柳の穴」で仲間たちと過ごす彼女のもとに、ある日片腕のない馬喰(馬の目利き)が現れ、こう囁いた。「生築の仔は天下の御馬になる」。けれど天馬は天馬から生まれるのが道理。生まれにとらわれず、違う何かになることなどできるのだろうか?終わりの見えぬ飢饉、友や馬との別れ。度重なる苦難のなかで馬と人の命の重さ、儚さを目にしていくリュウは、やがて仲間たちのため、自らが大人になる道を探すため、外の世界へと駆けだしていく。

著者等紹介

高瀬乃一[タカセノイチ]
1973年愛知県生まれ。名古屋女子大学短期大学部卒。2020年「をりをり よみ耽り」で第100回オール讀物新人賞を受賞。23年、受賞作を収録した初の単行本『貸本屋おせん』で第12回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞。25年『梅の実るまで 茅野淳之介幕末日乗』で第38回山本周五郎賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

タイ子

80
いつもの高瀬さんと違い、今作は青森が舞台で主人公は11歳の女の子・リュウ。そして物語の中心にいるのが南部馬の存在。東北の貧しい小さな村、厳しい環境の中、米の代わりに稗を育て、子供の間引きも珍しくなく、いつも空腹を抱えて生きている村人たち。飼馬はいつか売る運命、それまで子を産ませ高く売れるように育てていく。家族の事、馬への思い、去って行く友、耐えられない空腹感、このままでいいわけがない。幼い少女の抱えるものはいつしか外の世界に。そして、飛び出していくリュウ。普通に暮らせる幸せをしみじみ噛みしめる。2025/10/05

天の川

50
馬の話ではあれど…東北太平洋側の苦難が、女性の苦難が読んでいて苦しい。南部馬は奥州藤原氏に富をもたらし、近代の戦争でも軍用馬として使役された。本書は江戸時代。馬の捕獲や飼育は藩命による村を挙げての仕事で、その重圧は村の命運を左右する。冬には飢えた狼が馬や人を襲い、やませが吹く年はひどい飢饉だ。間引き、身売り、寡婦が男達の性の対象となり、馬達も雌雄や体格、その資質で運命が変わる。馬が好きでたまらない少女リュウはそんな現実を目の当たりにしながらも馬喰を目指す。彼女が友に宛てた最後の手紙で少し気持ちが和んだ。2025/10/03

信兵衛

17
今まで読んだことのない時代小説の世界を、見せてもらったという気分です。 お薦め。2025/10/04

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