扶桑社ミステリー
大統領の遺産

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  • サイズ 文庫判/ページ数 520p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784594058364
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

イスラエル建国に寄与し、初代大統領となったハイム・ワイツマン。彼の史料編纂中に、意外な事実が判明した。本来化学者だったワイツマンが、石油にかわる物質の精製法を研究していたのだ。これに成功すれば、産油国に打撃をあたえ、イスラエルに計り知れない恩恵をもたらす。ワイツマンの書簡の解説が進むいっぽう、何者かによる妨害工作が起きはじめる。ワイツマンの遺産の謎は解けるのか、そして内部に潜む敵は誰か?ゴールド・ダガー三度受賞の巨匠が、歴史の謎解きと謀略小説の醍醐味を、虚実の狭間に巧みに展開させた逸品。

著者等紹介

デヴィッドスン,ライオネル[デヴィッドスン,ライオネル][Davidson,Lionel]
1922年、英国ヨークシャー生まれ。雑誌社勤務を経て、冷戦下のヨーロッパでフリーの記者として活躍。60年に『モルダウの黒い流れ』で作家デビュー、CWAゴールド・ダガーに輝く。その後『シロヘの長い道』『チェルシー連続殺人』でもゴールド・ダガーを受賞。2001年には生涯功労賞ダイヤモンド・ダガーを受けた

小田川佳子[オダガワヨシコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

312
主人公および語り手のイゴーはワイツマン書簡集の編纂者。そして、物語中の影の主人公は化学者にしてイスラエル初代大統領のハイム・ワイツマン。本書が書かれたのは1976年であり、物語の時間は1974年なのだが、その時点で既にワイツマンはアラブ諸国の原油による経済支配を見通していた。そんな彼が構想したのが、サツマイモによる代替エネルギーの開発であった。化学に疎いので、どこまでが史実でどこからがフィクションなのかが判然としないのだが(それも作家の狙いの一つであったと思われる)、イゴーがそれを追っているうちに⇒2022/11/03

八百蔵

2
ここに書かれた先達の数少ない感想を読んでも、どうにもパッとしない一冊なことがわかるが、一つには、あんまり聞いてないネタ割れが最後にどかっとくることで、それまでがどうでもいいような位置づけになること。もう一つは、おそらく正確だが、親切とは言えない翻訳。これは、訳者だけでなく出版社の体制の問題もあるのではないかというのが感想です。2024/12/19

wang

2
過去の書簡を追跡することで科学者でもあったイスラエル大統領の遺産を探す一風変わった推理サスペンス、誰が関連するものを持っているのか、省略された文章が何を指しているのか推理してく面白みが独特。だが、石油を農作物から作り出す製法という事実であればすごいが、錬金術や永久機関同様の眉唾もので確証もないのに時間を惜しみ最優先で解読しようとし、また奪おうとする国際的組織があるというのはリアリティに欠ける。狙われていると主人公が気がついて緊迫感が出るのは終盤5分の1位になってからと遅いのも面白みを削っている。2012/06/28

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