出版社内容情報
感受性が強い高校生2年生の望には、自分らしくいられる居場所がどこにもない。学校でも友人に合わせることがしんどくなってきて、家では母が再婚に向けて準備をしており、自分の希望ばかりを押し付けてくるように感じている。友情も、家族の愛も、永遠に変わらないものなんてないんだと諦める気持ちと、消えてしまいたいと願う彼女が夜の川辺で出会ったのは、ひとなつっこくてよく笑う、同じ歳の朔だった。前向きで、サッカーが大好きで、いつも望に寄り添ってくれる朔。名前しか知らない彼と話すうち、初めて望は自分の居場所を見つけた気持ちになる。しかし朔にはある秘密があった――。
内容説明
「消えてなくなりたい」高校生の望は時折、そんな衝動に駆られる。友情も家族も、永遠に変わらないものなんてない。居場所を見つけられない望が夜の河川敷で出逢ったのは、人なつっこくてよく笑う、同い歳の朔だった。逢えるのはなぜか夜だけ、名前しか知らないけれど、彼の前では本当の私になれる。でも、朔には秘密があった―。正反対の2人の交流と月とともに満ちていく気持ち。せつなく大きな愛に涙がこぼれる恋愛小説。第2回魔法のiらんど恋愛創作コンテスト奨励賞受賞作!
著者等紹介
藍夕[アイユウ]
第2回魔法のiらんど恋愛創作コンテスト「苦しい程に、切ない恋部門」の奨励賞を受賞した本作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ティパリン
2
「苦しい程に、切ない恋部門 奨励賞」かあ、なるほど。2024/12/07
よあけ
1
月明かりだけが照らす夜をそのまま切り取った文章。 翳りがあるのに透明感があり、この作家さんの紡ぐ文章がとても好き。一文一文胸をぎゅっと締め付けられる美しさ。 一人でいるより息がしやすい、ただ並んで同じ景色を見るふたり。切ない結末に何度も涙しましたが、読後感はさわやか。 2025/04/07
まめむぎ
1
学校の友達関係で悩む高校生望。女友だちのグループでいつも言いたいことも言えずに浮いてしまう。また、父と死別後2人で生きてきた母に恋人と会ってほしいと言われ、断れずもやもやする。もう消えてしまいたいと深夜家から抜け出して向かった河川敷で、不思議な少年、朔と出会う。でも、朔には秘密があって…。恋愛ファンタジーになるのかな?繊細な望と前向きで元気な朔とのやりとりが微笑ましく、最後まで結末が気になって読んでしまった。きれいに回収されましたが、個人的に朔のドナーの登場はなくてもよかったかなと思いました。2025/01/09