出版社内容情報
松岡 圭祐[マツオカ ケイスケ]
著・文・その他
内容説明
中堅・グライト出版が大々的に売りだした新人作家REN。刊行した作品が女子中高生を中心に次々ベストセラーになるが、既刊からのパクり問題が浮上しブームは突如として失速。出版界の事件を解決してきた李奈には、被害作家からの相談が寄せられる。自著からの盗作も判明し、頭を悩ませる中、別の難題も抱えていた。「シンデレラの原典を探れ」という不可解なメールが届いたのだ。送り主の意図、そしてその正体は一体…!?
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たか
63
シリーズ第4作。次々とベストセラーを生み出す新人作家REN、しかしどの作品も売れない作家達の既刊作品にあまりにも似ていた。盗作疑惑で出版業界が揺れるさなか、杉浦李奈に「シンデレラの原典を探れ」と佐田千恵子を名乗る人物から脅迫メールが届く。指示に従わなければ李奈の大事な人の命は無いと言う。同時に件の盗作疑惑に李奈の著書も被害にあい巻き込まれる。「盗作疑惑」と「シンデレラの原典」と李奈はふたつの難題に臨む。 シンデレラと似た話が世界中、日本にも有る事に驚いた。毎回李奈の文学知識に脱帽する。 ★★★★✩ 4.02022/08/03
Yunemo
60
いつの間にか、杉浦李奈にぞっこん。優秀な記者並の嗅覚と人間観察力、分析力を持つ探偵作家ならぬ作家探偵、と記者からも評価され。本作のベストセラー作家の盗作疑惑、剽窃と盗用・盗作のニュアンス感、その差異には理解がついて行けずに。初めて聞くテキストマイニングという分析手法。難しいけど、文学作品どうしの相関関係が解明される、って、同一著者の文章かどうか、別作品からの影響度合いを実数値に換算、これ面白いね。これを使ってのシンデレラの原点探し、世界中に、また年代も多岐にわたって、決して美しい物語じゃなく、改めて理解。2022/05/05
よっち
45
中堅・グライト出版が大々的に売りだした新人作家REN。次々ベストセラーになるものの既刊からのパクり問題が浮上しブームは突如として失速。李奈に被害作家からの相談が寄せられる第四弾。自著からの盗作も判明して頭を悩ませる中、李奈のもとに届いた「シンデレラの原典を探れ」という不可解なメール。送り主はなぜそんなメールを送ってきたのか、パクリ問題のグレーゾーンにも頭を悩ませる中で、データマイニングも駆使した調査もあったりで興味深かったですが、ちょっとした機転から難しい状況をひっくり返してみせたその手腕はお見事でした。2022/05/26
坂城 弥生
43
シンデレラの類話の多さにびっくり。2022/07/07
Shun
43
ビブリオシリーズ4作目。探偵小説作家が本業のヒロインだが著作の人気はいま一つ。前回は孤島に招待され、クローズド・サークルの事件も解決し生き延びたことでむしろ小説家より探偵の道を進んでいるようだ。本人の意に反し世間でも作家探偵としの知名度が高まり、今回はそんな主人公を直接標的とした脅迫事件に巻き込まれます。内容はシンデレラの原典を探れという不可解なもの。同時に人気作家の盗作疑惑や海難事故と当たらなければならない案件が山積し、タイムリミットが刻一刻と迫る。シリーズ中最高に専門的で、この主人公碩学すぎて苦笑い。2022/05/26