出版社内容情報
第二次世界大戦後間もなくの朝鮮半島。詩人・林和は、かつて祖国を裏切り、日本警察の弾圧に屈服して日本帝国主義の植民地政策に加担したという暗い過去があった。その過去をアメリカ軍諜報機関は利用し、林和をスパイとして操ろうとする。謀略の罠に捕らわれていく林和。弾圧から逃れ北朝鮮に逃亡するも、朝鮮の北にも南にも理解されることはなく、ついにはアメリカのスパイとして軍事裁判で処刑されてしまう。イデオロギーと政治権力に押しつぶされ、現在でも南北の朝鮮文学史から完全に抹殺されている悲劇のプロレタリア詩人を描いたノンフィクション・ノベル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
高木正雄
4
主人公でプロレタリアート作家である林和は実在人物だそうだ。戦前、日帝の拷問に怯え転向してしまった彼は、その転向が負い目になる。転向した調書は日帝から米軍政庁に移るが、その調書のために林和は知らず知らずに「おやといスパイ」になるが、いよいよ南では危険になると入北する。そのあとはお馴染み南労党派粛清事件に連座するかなり悲劇的な人生だ2026/02/18
kaorin
3
第二次大戦後の朝鮮半島、文学者の林和を待っていたのはあまりに過酷な運命だった。人物や情景の描写がほとんどなく、ただひたすらに林和の内面の動きと、彼に起きた出来事が淡々と描かれている。当初は情景が思い描けずに読み進めにくかった。しかし途中から、日本・アメリカ・ソ連に翻弄される朝鮮半島と、自由を求めながらもそれがかなわなかった林和に待ち受ける運命が真に迫り、どんどん読み進めた。。ただ自然とそこに生きる人々を詩に描きたかった、という林和の言葉が胸に刺さる。知らなかった歴史をまた知ることができた。2022/05/31
19番ホール
1
日本の敗戦後、大国の思惑に揺れる朝鮮半島をひとりの詩人の目で追いかける。なかなか異色な清張小説だった。2026/01/24
数之助
0
第二次世界大戦直後の朝鮮半島を描いた異色の書。しかし、なじみがないせいか、清張の作品にしては、読みやすいとは言えなかった。2024/10/26
くりたろう
0
朝鮮の闇歴史2022/07/10
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