出版社内容情報
◆【期間限定カバー付き!】
ウェブストアでご注文(店舗受取りを含む)のお客様には特典として、「絵本作家・まいのおやつさん描き下ろし限定カバー」をお付けします。
特典は無くなり次第終了となりますのでお早めに!
シェフの亮は鬱屈としていた。創作ジビエ料理を考案するも、店に客が来ないのだ。そんなある日、山で遭難しかけたところを、無愛想な猟師・大高に救われる。彼の腕を見込んだ亮は、あることを思いつく……。
内容説明
雇われシェフの亮二は、行き詰まっていた。腕には自信があったのに客がこず、このままでは料理への情熱も失いそうだ。そんなある日、猟に入った山で無愛想な猟師・大高に出会う。以前からジビエ料理を出したいと願っていた亮二は、人を避け自然の中に生きる大高のもとに通いはじめる。だが、なぜか大高の周りで不可解な事件が起きはじめ―「ビストロ・パ・マル」シリーズの著者が贈る、美味しい料理満載の、大人の成長物語。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。以来、細やかな心理描写を軸にした質の高いミステリー作品を発表し続ける。2008年『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
287
11章立て。フレンチシェフの話で、料理とかレストラン経営を中心としたお話かと思ったら、主題は随分と違っていてね。ジビエ料理と狩猟、害獣に関するものでした。“害獣”って言うのも、人間の一方的な主観に依る言葉ですね。人間側の勝手な言い分ではありますが、鹿などの害獣は人との関わりの中で数をコントロールしなければならない。一方でその命を無駄にする事も望ましくないので、供養では無いですが食としてその命を引き受ける事は必要なのかな。答えが一意に定まるものでは無いだけに難しいですが、考えないわけにはいかない問題ですね。2025/06/27
Nao Funasoko
185
ドラマ『シェフは名探偵』の原作者として知った著者作品初読み。 生きることに不器用そうなシェフが同じく生きることが不器用そうな猟師と出会いジビエを仲介し物語は進む。 事件そのものは特筆すべきものでもなかったが、ジビエという素材自体も一章ごとのボリュームやリズム感といった文体も私好みの作品。バイプレイヤーたちも今後自由に動き出してきそうなキャラばかり。切にシリーズ化を願う。2021/08/24
ひさか
159
2019年2月角川書店刊。2021年5月角川文庫化。ジビエ料理と調達とそれを取り巻く人々と犬達のストーリー。ジビエ料理って難しいもんなんだと思いました。2021/07/06
venturingbeyond
145
フレンチシェフの潮田と猟師の藤高に加えて、マレーのオーナーの澤山に、バイトの若葉とそれぞれの人物造形が絶妙で、一気に読了。鳥獣を屠り、その肉を喰らうのに、小売りに並ぶ精肉の川上にある屠殺に思いを至らせることはなく、その一方でペットを家族同様に思う者も数多く存在する現代において、狩猟・害獣駆除・ジビエとしての提供などの場面のリアルな描写は、読者それぞれに日常を振り返らせ、自らの食や生について考えさせるものとなっている。エンターテイメントとしてさらりと読めるが、テーマは軽くはない。2023/01/21
Kazuko Ohta
142
グルメ×ミステリー小説が溢れるなか、どのジャンルの料理を取り込むかはある種のニッチ産業のように思います。そうだ、ジビエ料理は今までにない。料理学校では優等生だったのに、いざシェフを任されると次々と店を潰してしまう主人公・潮田。ジビエを偏愛する女性オーナーの目にとまったものの、やはり閑古鳥。猟に入った山で遭難しかけたときに助けてくれたのが無愛想な猟師・大高。なんとも美味しそうな数々の料理。だけど予想していたよりもずっとミステリー。鹿の出没にうんざりするわが家の周辺ですが、本作を読むと少し見方が変わる。 2023/11/02
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