角川oneテーマ21<br> 「アラブの春」の正体―欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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角川oneテーマ21
「アラブの春」の正体―欧米とメディアに踊らされた民主化革命

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784041103296
  • NDC分類 309.022
  • Cコード C0295

出版社内容情報

中東に訪れたのは、本当に「春」だったのか?

中東に訪れた「民主化」の波。独裁政権崩壊という同じような状況に見えて、その内実は大きく異なる。なぜNATO軍はリビアにのみ軍事介入したのか?天然資源取引における基軸通貨戦争とは。欧米の、資本の原理が潜む。

内容説明

本当に訪れたのは「春」ではなかった―大手メディアが伝えない「革命」の真実。

目次

第1章 北アフリカの小国、チュニジアから始まった「アラブの春」
第2章 アラブの盟主、エジプトで起こった「革命」の苦い現実
第3章 メディアによってねつ造された「アラブの春」―リビア内戦
第4章 アラビア半島へ飛び火した「アラブの春」
第5章 報じられなかった革命、違う用語にすり替えられた革命
第6章 メディアが伝えないシリアで内戦が激化する本当の事情

著者等紹介

重信メイ[シゲノブメイ]
中東問題、中東メディア専門家。1973年、レバノン・ベイルート生まれ。日本赤軍のリーダー重信房子とパレスチナ人の父の娘として、無国籍のままアラブ社会で育つ。1997年、ベイルートのアメリカン大学を卒業後、同国際政治学科大学院で政治学国際関係論を専攻。2001年3月に日本国籍を取得。来日後はアラブ関連のジャーナリストとして活躍。2011年同志社大学大学院でメディア学専攻博士課程を修了。現在、ジャーナリストとしてパレスチナ問題を中心に広く講演活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

74
アラブの春と一括りにするが、リビアで起きたのは革命ではなく内戦だ。独裁者の顔ばかり強調されてきたカダフィが、実は福祉国家をめざし世界の民衆運動をリードした人物なのは意外だった。彼が嫌われた本当の理由は、中国やアフリカとの連繋を強め欧米諸国の神経を逆なでしたせいらしいが、それにしても欧米のやり方はあくどい。カダフィーの隠し資産に関する虚偽報道もそうだけれど、最悪はNATO軍による交通機関や病院への空爆。後からインフラ再建に参入しようと考えていない筈がない。日本もそういう国になるのではないかと恐ろしくなった。2015/05/27

リキヨシオ

29
出版は2012年でイスラム国やシリア大量難民も発生してない。だけどイラク戦争、アラブの春、イスラム国がすべて繋がって見えてくる。チュニジアからエジプト、リビア、そしてシリアに広まった市民による民主化運動「アラブの春」。腐敗した独裁政権を退陣させる事が目的の一方でリーダー不在で理想のない運動に欧米諸国の思惑が重なる。ある評論家が「アラブの春でうまくいった国はない」と言う。アサド政権、反政府勢力、イスラム国、アメリカ、フランス、ロシアと増え続ける難民。今のシリアは想像を絶する修羅場で考えるだけでゾッとなる。2015/11/27

マリリン

27
目にした報道から漠然とした知識しかなかったものの、簡潔でわかりやすい文面から意外な事実の側面を知る事ができた。読みながら今の社会を想う。ジャスミンはチュニジアの代表的な花だという。「アラブの春(ジャスミン革命)」...政治の腐敗や貧困に抗議し立ち上がった市民。その裏には各国の利害事情なども見え隠れするのだが、驚いたのはアルジャジーラのご都合主義な報道。著者が伝えたかったのは、まさに表題通り。そして日本社会へ一石を投じる意味合いもあったのではと思った。事実は表面化しない所で息を潜めているのではないだろうか。2020/07/06

ヤマセミ

24
今のアラブ世界をみると、どこが「春」だったのか理解不能なアラブ世界について、冷静公平にしかも自然体のわかりやすさで書かれてた。カダフィ、アサド、アルジャジーラetcが、報道と全然違うことに驚いた。結局「アラブの春」は情報戦争だったという。お尋ね者を母にもち、無国籍のままレバノンで育った著者が、どうしてこのような視点を持つにいたったかも興味深い。知るということは大事なことだとしみじみ思った。2016/08/20

ハチアカデミー

20
FBなどを駆使して若者たちを中心に成し遂げられた「アラブの春」。そのぐらいの情報しかもっていなかったその革命の内実と、それぞれの状況を解説する。革命が大きなものに利用される現実も多く無情感を覚える。チュニジア、エジプトは国民の主体性を感じる一方、革命が国内の政権争いに利用されたリビア・カダフィ政権、アラブの問題では古典的といえる石油を巡る利権争いともいえるサウジアラビア、バーレーン、イエメンなど、十把一絡げには論じられないことがわかる。諸問題の奥底には、パレスチナの問題、中東に口を挟む米の陰がちらつく。2014/12/22

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