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二重生活

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  • サイズ B6判/ページ数 376p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041102336
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

他人の秘密。それは、震えるほどの興奮――。

大学院生・白石珠は、ある日ふとしたきっかけから近所に住む既婚男性・石坂を尾行、表参道で不倫現場を目撃してしまう。同棲中の恋人・卓也への浮気疑惑にとらわれながらも、石坂への尾行を繰り返す珠だったが――。

内容説明

大学院生の白石珠は、ある日ふと、近所に住む既婚男性、石坂史郎を尾行してしまう。大学の講義で知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「文学的・哲学的尾行」が心に残っていたからだ。そして珠は、石坂の不倫現場を目撃する。他人の秘密を知ることに、ぞくぞくとした興奮を覚えた珠は、石坂の観察を繰り返す。だが徐々に、秘密は珠と恋人との関係にも影響を及ぼしてゆく―。大学教授への想い、今は亡き恋人への追慕。スリリングな展開、乱れ合う感情。ページを繰る手が止まらない、傑作長編。

著者等紹介

小池真理子[コイケマリコ]
1952年東京都生まれ。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小説を最初に書いた人にありがとう

109
初読みの作家さん読了。映画化されるみたいですね。最初は物語に入り込めなかったが徐々にはまっていった。表面上普通に生活している人たちにも裏の生活がある、哲学的・文学的尾行でそれがあぶり出される。ほんとによく分かる。誰しもあると信じている。大きな事件もない物語だったけど深い印象を残した一冊。珠のパートナーはほんとはどうだったのか勝手に想いを馳せながら。2016/07/18

きさらぎ

89
世間で理想とされているような平凡で穏やかで裏切りも隠し事もない、公平な愛で満たされている人生などどこにもない。誰もが秘密を持ち、男女関係においては常に誰かを傷つけている。この世に隠し事をもたない人間がどれほどいるのだろう?「文学的・哲学的尾行」人の秘密を知ることで自分自身が解放されていく。接触や関係を作り出すような出来事は一切生じてはならず、秘密を明かしてもならない。この本の中で、卓也だけが自分の秘密を持たないが、大切な人の秘密を守るために愛している人にずっと嘘をついている。虚像と実像いやどちらも実像だ。2017/04/21

紫 綺

88
読売新聞紹介本。初小池作品。文学的・哲学的と称し、ご近所さんを尾行する。しかも浮気現場を目撃。修羅場化していく現実を見ながら、主人公の生活も懐疑と妄想にかき乱されていく・・・。心理描写が巧いのか、飽きなく読ませるが、後に残るものが無かったかな。2012/10/18

ゆにこ

69
図書館の映像化作品特集の棚にあったので、読んでみました。哲学的と言われてもピンと来なくて、やっぱり尾行されたら気味が悪いと思ってしまう。若い女性だから許してもらえたのでは。2016/10/28

マッツ

61
文学的哲学的尾行がテーマの二重生活。始めは、理解出きなかった。男の石坂の立場にもなり読む感じがあって不思議な感じで読み終えました。恋人の卓也の気持ち存在がわかってハッピーエンドかと思ったら...尾行欲は消えない。2013/03/07

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