角川文庫<br> 人間失格;桜桃

角川文庫
人間失格;桜桃

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  • サイズ 文庫判/ページ数 164p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041099100
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「もはや、自分は、完全に人間でなくなりました」廃人同様のモルヒネ患者の手記の形を借りたこの作品は、無頼の生活に明れ暮れた太宰治自身の自伝であり、遺書ともいえる(「人間失格」)。ほかに家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描いた絶筆「桜桃」を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

72
神保町へのお供の一冊。『乙女の家』の主人公若菜を親友になった高橋さんがずっと「竹一」と呼び続けます。そして、物語の芯になるのは『人間失格』 高校の現国の先生が「太宰を読め」と常に言っていたので高校生のとき、学生のとき、結婚後 少なくとも三回は読んでいる筈なのに30年の時を経て改めて読んでみたら全然違う話のようだった。この本の解説は壇一雄。贅沢な一冊。太宰は山梨に縁のある作家である。師と仰いだ井伏鱒二は飯田蛇忽と親交の有った作家。義母は蛇忽のお弟子さんでした。2015/10/02

mint-s

30
私にとってこの本は、何故か再読してしまう本です。「イヤな事をイヤと言えず恐怖に悶える」「家族の者たちにさえ脂汗流して道化を演じる」さぞ生きづらかっただろう。同じ思いを抱く人と出会えていたら死なずにすんだかも。2016/08/08

彼岸花

20
私は太宰作品が苦手。とても憂鬱な気分になるからです。「人間失格」は久々に読みました。解説では、明朗快活さの一面も見受けられ、どちらが本当の太宰なのかわかりません。幼少時代からの同化は、少なからず共感できます。しかし、無理強いし過ぎた結果、歪みが生じてしまったのでしょう。この精神的苦痛が、苦悩から絶望へと波及していく怒濤の人生。もしも分かち合えたら、どれほど救われたことか…寂しがり屋で純朴で、センチメンタルな太宰も、掌にそっと包まれています。これほど真情を綴った『遺書』の類は、他に見つからないでしょう。 2019/04/17

ピップ

20
数ページ読むつもりだったけど止まらなく、一気に読了。正直、これほど面白く読めるとは思わなかった。全く内容は全く知らなかったため、どんな鬼畜が出てくるのかと思っていたが、とても好感の持てる主人公だった。とても優しいけれど、人間社会を一歩引いて見てしまったため、道化にならざるを得ず、こんな人生になったんではないでしょうか。  以前から文学作品に興味を持ってて、本作を面白く読めたので、結構自分には文学が合うのでは?どんどん読んでいこう…と調子に乗り何度も痛い目にあっているので、今回の機会は大切にしたい。2017/10/01

ケンタ

18
もっと難解な小説かと勝手に思い込んでいたので、こんなに読みやすいとは少し意外でした。面白い作品かというと表現が難しいですが、主人公の弱さ、恥ずかしさ、苦悩が自分自身に刺さりますね。2022/02/12

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