出版社内容情報
浅倉 秋成[アサクラ アキナリ]
著・文・その他
内容説明
「犯人」が死んだとき、すべての動機が明かされる。成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を開けると「○○は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは―。伏線の狙撃手・浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。
著者等紹介
浅倉秋成[アサクラアキナリ]
1989年生まれ。2012年に『ノワール・レヴナント』で第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろくせい@やまもとかねよし
1610
就活ミステリー。とてもユニークな設定。大学卒業目前の新卒生のみを対象とする企業採用試験。就活生はこれまで経験してきた横並びで競い合う試験の印象をもちながら挑むが、志向が反対の横並びでの協調力を求められ混乱する。利己と利他で迷子ぎみの彼らが直面する事件とその真相に迫る。人事も含め「世界に絶対はない」の描写が心に残る。人間の能力は数字で測れることばかりではない。表し難い力にこそ、未知な可能性がある。しかし最後は「運」だと。そんな「大人」自身も知り得ない「正しさ」に向き合う若者たちの姿は微笑ましい以上に切ない。2022/02/13
starbro
1590
王様のブランチで紹介されたので、読みました。浅倉 秋成、初読です。学生も企業も多かれ少なかれ盛っているので、こいうストーリーはあり得るかも知れません。人事担当者はマネをしないように(笑)それにしても昨今の就活は熾烈です。就活うつになるのも理解できます。 https://www.kadokawa.co.jp/topics/54992021/04/28
ちくわ
1321
相当面白かった。えっ?えっ?えっ?…終始そんな感じで通読。どんでん返しの連続で、最後まで作者の思い通りに操られた感が凄まじい(笑)。推理小説を読み慣れている人に本書がどう映ったのか?は謎だが、普段この手の本を全く読まない=展開予想能力ほぼゼロなので楽しめたのだと思う。本書では言葉の一部分を切り取り、読者に誤解させる事で何度も予測をうっちゃってくる。物語としてはこりゃ面白い!で済むが、実世界では注意したい。知識や経験を増やし、複数の視点で物事を観察出来るようにする事で、情報を鵜呑みにしないようにしなきゃね!2024/11/23
うっちー
1219
初めて出会ったミステリーでした2021/08/08
ユースケ
1173
★4 ストレートなミステリーかと思いきや、かなりコンセプトを練り込んだ作品で、それにびっくり。これから読む方もいると思うので、多くは書けないが、これを読むと、人なんて簡単に評価もできないし、完璧な人なんて存在しないと改めて感じる。最近のSNS叩きとかにも通ずるものがある。 いま就職活動をしている新卒の方は読みたくもないかもしれないが、実際のところはこんなものだと思って、あまり深刻にならないで自分らしく頑張って欲しいと切に願う。2023/04/08