内容説明
米問屋大黒屋の主人・角次郎は遠島となった。年貢米を不正に得ようとした上、旗本家の用人を殺した罪だ。流刑先の八丈島で、同じ村に割り当てられた4人とともに、自活するための基盤を作っていくが、快く思っていない人物からの嫌がらせに遭う。一方江戸では、大黒屋を陥れた仙波屋と川越藩年寄大槻の奸計を明らかにするため、善太郎たちが、年貢米を運んだ船頭を捜し出そうとする。どうやら、裏では藩の跡目相続の争いがあるようで…。
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。以後、時代小説を中心に活躍中。2018年「おれは一万石」「長谷川平蔵人足寄場」シリーズで第7回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はにこ
31
島流しになった角次郎と江戸での善太郎はじめとする大黒屋、羽前屋の探索が描かれる。物語を面白くするには敵対する相手が要るのは分かる。しかし、こんなに敵が多すぎるのは私が取引相手だったら敬遠するだろうなぁ。大黒屋は全然悪くないけど、良くない噂が度々出ると火の無いところに煙は~と思うわな。っと思いながらも頑張って欲しい。2021/10/14
ツン
12
八丈島に島流しにあった角次郎。江戸での犯人探索、島でも死闘があるのだけど、畑を作って芋を育てたりするところがむしろ、子供の頃読んだロビンソンクルーソーや、家族ロビンソン、十五少年漂流記とかが思い出されて懐かしい。2020/11/30
高橋 (犬塚)裕道
9
星3.5。角次郎、厳しい状況でもめげないなあ。次巻が楽しみ。2023/08/03
ひさか
6
2020年9月角川文庫刊。書き下ろし。新シリーズ5作目。通算21作目。八丈島で暮らしていく角次郎と江戸の善太郎達の冤罪を晴らす動きが交互に語られる。大黒屋を陥れようとするのは誰なのか。なんとかなるとは思うが、どう進むのか、気にかかる。2020/11/05
いえのぶ
3
ライバルの姦計に嵌まり八丈島に遠島となった角次郎は、遠島の際に息子が米と一緒に送ってくれた赤甘藷芋を栽培することにする。同じ村に預けられた流人4名と畑を開墾する。同じ船で送られた流人の妨害を受けながら栽培を継続する。一方、江戸では息子らが角次郎の無実を証明するために、真犯人の捜査を継続する。2023/08/26