出版社内容情報
美少年探偵とペット扱い助手の妖しき事件簿、第5弾。
内容説明
“地獄代行業”の西條皓は、次期魔王を巡る後継者争いに勝利するも、その座を返上し、変わらず青児を助手として日々を過ごしていた。そんな時、旧家で不審死が続き、皓へ依頼が持ちこまれる。当主は事故死、孫娘は自殺と思われたが、依頼人は北原白秋の童謡詩「金魚」に見立てた連続殺人だと話し―。歪な家族がひた隠す、十年前の少女の死。そして三匹目の金魚として殺される者とは。美少年探偵の地獄堕とし事件簿、第5弾。
著者等紹介
路生よる[ミチオヨル]
愛知県生まれ。2017年、『地獄くらやみ花もなき』(受賞時タイトル「地獄くらやみ花も無き」)で第3回角川文庫キャラクター小説大賞“読者賞”を、『折紙堂来客帖 折り紙の思ひ出、紐解きます。』(受賞時タイトル「折紙堂の青目鬼―折り紙あやかし事件帖」)で第5回富士見ラノベ文芸大賞“審査員特別賞”を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
65
親子って…血のつながりがイコール愛情とは結びつかないけれど、このシリーズは結構悲惨度が強い気がする。あと蘭鋳ってスゴい残酷というか倫理的にヤバい方法で繁殖させてるんだね…フォアグラの作り方を聞いたときと同じくらいの衝撃でした。2021/01/14
凛
60
シリーズ5作目、そして、第2部開始。金魚の館で起こる連続見立て殺人、そして、青児の墓参りと座敷童との隠れ鬼。今回は金魚が絡むということもあってか、紅子さんが大活躍。どちらの話もその裏に重たく哀しいものが存在しているけれど、合間合間で挟まれる登場人物たちの会話のおかげでそれほど重たくなりすぎず、ちょうどいい感じに仕上がっていると思う。どうしているのかと気になっていた凜堂兄弟も相変わらずのようで何より。本格的に話が動き出すのは次巻からかな。妖怪大戦争なカルテット、意外と仲良くできるんじゃ?早く次巻が読みたい。2020/10/10
眠る山猫屋
59
軽快な語りが時流に乗る。青児くんは前回から微妙に成長したのかしていないのか(苦笑)最初の物語は北原白秋の童謡の見立て殺人なんだが、実際にこんな童謡あるのかっ!?って云う程、残酷な歌。今まで誰もモチーフにしていないのか?まさに推理小説に相応しいな。今回は登場人物が少なく、故にミステリとして堪能できる展開。しかし、二話構成な上にこの薄さ、短編二話読んだ気分、あと一話欲しかったかな。そして、お帰りなさいの兄弟探偵。2021/02/18
さくりや
52
安定の。5巻は北原白秋ね。相変わらず心理描写の癖が強い笑。こんなに細かく描写しなくても充分伝わる文章力だと思うので、読者層に寄り添っていらっしゃるのかな?(何目線)。主要人物が皆良いキャラをしているのでリーダビリティが上がるぅ!エピローグについては、確かに魔王の座争い延長戦じゃあつまらないよなあと笑。妖怪要素が強いが皓や青児の仕事はむしろキリスト教的な気がする2020/09/26
はつばあば
49
北原白秋もきっとあの世でびっくりしてることでしょう。童謡詩「金魚」に見立てた連続殺人、いやいや白秋の望み通りかも。子供の持つ残虐性・・それは愛情を求めてやまないからかも。隠れ鬼も然り。人の悪意ってのはどこに潜んでいるのだろう・・それが表面化すると・・怖い怖い(-_-;)。紅子さんも琴絵さんも愛する者には、尽きぬ親らしい愛を捧げてくれます。現実でもそうですが親って自分が産んだからと我儘になっているような気が。自分勝手にできない者だと認識せねば(-_-;)2023/01/14