屋根をかける人

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  • サイズ B6判/ページ数 376p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041047507
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「日本人として生きる」ことを選んだアメリカ人建築家の壮絶な一代記明治末期にキリスト教布教のために来日したアメリカ人建築家、メレル・ヴォーリズ。彼は日本人として生きることを選び、 終戦後、昭和天皇を守るために戦った――。彼を突き動かした「日本」への思いとは。

門井 慶喜[カドイ ヨシノブ]
1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。08年『人形の部屋』で、09年『パラドックス実践』で日本推理作家協会賞候補、15年 『東京帝大叡古教授』で第153回直木賞候補。16年、『マジカル・ミステリー・ツアー』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞。作品は『天才たちの値段』『天才までの距離』『血統(ペディグリー)』『新選組颯爽録』『家康、江戸を建てる』など。

内容説明

明治38年に来日し、建築家・実業家として活躍したW.M.ヴォーリズ。彼は日米開戦の前夜、日本に留まり帰化することを選んだ。そこには華族の身分を捨てて結婚してくれた妻や、彼を温かく受け入れた近江の人々への強い想いがあった。終戦を迎え、ヴォーリズは天皇制存続に関わる、ある重要な政治的局面に関わることに―。“ふたつの祖国”を持つ彼ゆえに成し得た、戦後日本のための決断とは。俊英による感動の歴史長編。

著者等紹介

門井慶喜[カドイヨシノブ]
1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。08年『人形の部屋』で、09年『パラドックス実践』で日本推理作家協会賞候補、15年には『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年には『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補になる。16年『マジカル・ヒストリー・ツアー』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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評価

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感想・レビュー

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Aya Murakami

118
図書館本。 主人公の描写がいやに詳しくてリアルだと思ったら実在の人物だったのですね。 主人公の心理変化もよかったのですが、ラスト付近の玉音放送と主人公との対話をする昭和天皇の描写が非常によかったです。玉音放送の時に昭和天皇は感極まったようですが…、ネット上に上がっている現実の玉音放送もチェックしてみます。当たり前のことですけど西洋人はもちろんのこと、昭和天皇も命のある生きた人物なのですね。2018/09/26

ゆみねこ

104
キリスト教の伝道者として、近江八幡に赴任し、卓越した商才で建築事務所・メンソレータムの近江兄弟社を創業した、W.M.ヴォーリズの生涯を描いたもの。青い目の近江商人と呼ばれ、日本人として生きることを選んだ波乱の人生。戦後の天皇人間宣言のくだりは特に興味深いものでした。面白さという点では、玉岡かおるさんの「負けんとき」に軍配!両方読むと、更に良いと思いました。2017/01/15

まこみん

87
「銀河鉄道の父」で知った門井さん。ウィリアム・メレル・ヴォーリスは全然知らなかったが、読むにつれ、広岡浅子と彼女の家族との関わりや、馴染みある近江兄弟社の創立者で、大正から昭和に掛けての多くの洋風建築を手掛けた人物と知り、彼の生き様に興味が出る。特にヒーロー的な人物としては描かれていないけれど、等身大の淡々とした記述がかえって心地よい。日米関係の悪化で、自らと多くの社員の為にアメリカ国籍を捨て日本人になるという選択。だが両国から受け入れられない葛藤。戦後直後の天皇との会話の中で題名が沁々伝わってきた。2019/05/16

のぶ

84
明治時代後期にアメリカから来日した一人のクリスチャンで建築家、メレルの伝記的な話かと思って読み始めたのだが、内容はそれにとどまらず、とてもマルチな人物で立体的な視点から物語の造形のなされた小説だった。来日後近江八幡に住み、厚いキリスト教への信仰のもと、建築の仕事をしながら、メンソレータムの販売から、近江兄弟社の創設等、とても活動的で、終盤の昭和天皇との謁見の場面も過去の功績があればこそ印象的に感じたのだろう。最近読んだ人物の半生を描いた作品の中でも優れた一冊だった。2017/02/15

Mumiu

83
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの建築物を見に近江八幡に行ったことがある。彼について書かれた本も読み、だいたいこう人だったなあと思い返す。妻満喜子、吉田悦蔵とご母堂、満喜子の兄恵三、そして広岡浅子、小説になったことでメレルのキャラクターがあちらこちらで豊かに感じられた。満喜子がアメリカに行く時、ホテルニューグランドの喫茶室でのシーンが微笑ましくすきだ。表紙絵はできたら近江八幡の建物が嬉しかったかなあ。2017/04/23

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