角川文庫<br> 鳩とクラウジウスの原理

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角川文庫
鳩とクラウジウスの原理

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  • サイズ 文庫判/ページ数 198p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041042281
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

鳩が恋文を運ぶ!? バカバカしくも愛おしい、伝書鳩小説!クラウジウスの原理とは「エネルギーは必ず高い方から低いほうへと流れていく」こと。すなわち女の子はみんな、見てくれがいい男の所に行ってしまうのだ! そこで恋愛に縁のない貧乏青年・磯野が始めた新事業とは?

松尾 佑一[マツオ ユウイチ]
1979年大阪生まれ、北陸在住。大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了。
博士(工学)。現在、国立大学で研究教育職に従事。専門は生物学、遺伝子工学。2009年『鳩とクラウジウスの原理』で第1回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー。他の著書に『昼寝の神様』『恋のエニグマ3号』『彼女を愛した遺伝子』『生物学者山田博士の聖域』がある。

内容説明

モテない24歳の貧乏青年、磯野は公園で出会った紳士にスカウトされ、鳩が恋文を運ぶサービスに関わり始める。次第にやり甲斐を感じる磯野だったが、ある日、伝書鳩が「クラウジウス団」を名乗る集団に捕らえられてしまう。彼らの目的は「この世のあらゆる恋愛を妨害すること」。かくして、鳩を巡るナンセンスな闘いが幕を上げた―。コミカルな語り口で現代男子のリアルを描く。第1回野性時代フロンティア文学賞受賞作。

著者等紹介

松尾佑一[マツオユウイチ]
1979年大阪生まれ。大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。国立大学で研究教育職に従事。専門は生物学、遺伝子工学。2009年『鳩とクラウジウスの原理』で第1回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蒼雨

22
なかなか内容が入ってくるまでは読むのが大変でしたが……一度カチッと来たらすらすら読んでました。この本の題名見たとき、クラジウスクラペイロンの式を思い出し、ついでに大学1年生の時の化学工学を一瞬思い出しました笑 「あいつはどこで頑張り方を覚えたんだろう、俺はそれを学び損ねちまったよ」ってすごく印象に残ってます。頑張り方ってみんなどこで学んでるんだろうって。鳩が荷物を届けるって、ドローンで荷物を運ぶより夢があるよなって思いました。2016/06/15

R2

11
途中、3ページぐらいずっと声に出して笑いながら読んでた。アーばかばかしくって可笑しい。モリミーが好きな人ならハマる作品。そして自分が物理を学んでよかったっと思える。自分も一番好きな分野が熱力学。熱力学は本書にでも出てきた「クラウジウス」の第二法則を含めてたった三つの原理で説明できる。しかも”量子力学”や”天文学”とは違い未来永劫不変な物理学。素晴らしい学問。それはともかく、自分もクラウジウス原理主義者の会に入会したい。いや名前は違うが中身は同じか。だって見事に一人暮らし継続中だ。2017/07/02

ぶうたん

4
関西を舞台にしたファンタジー要素の入ったモラトリアム青春小説で、何人かの先行作家を思い浮かべるが、オリジナリティがあるかどうかはともかく、これはこれで楽しめる。恋愛要素がやや強めなのが特色か。読みやすさは抜群で、重厚な小説も良いけれど潔いほど薄っぺらいのでサクサク辞めるのはありがたい。伝書鳩と言う今ではあまり思い浮かべることのないシステムを取り上げたのは新鮮だと思うが、今も利用されているのかしらね。他の作品も同じ作風なら読んでみたい。2023/12/13

yamakujira

4
恋愛に無関心な貧乏男子の磯野はアパートにひとり暮らし、学生時代の友人のロンメルと後輩女子の犬さんが、次々に失職して転がりこんできた。磯野も勤務先が傾いて困っていたら、伝書鳩の運営組織にスカウトされた。そんな奇妙な設定で進む物語は、コミカルで楽しめそうなのに、どうもテンポが合わなくて読みにくく、人物造形も漫画的すぎるから、軽妙洒脱というより軽佻浮薄な感じで白けてしまった。クラウジウス団をもっと生かせればよかったかも。少女との別離で感情を失った磯野の再生というラストは悪くないんだけれどなぁ。 (★★★☆☆)2020/12/04

たにやん

4
貧乏青年・磯野は公園で謎の紳士にスカウトされ伝書鳩にて手紙を郵送する「鳩航空事業団」で働くことになった。この世の恋愛を妨害する「クラウジウス団」による妨害を受けながら今日も恋文を飛ばす。このネット社会の中、あえての伝書鳩という設定に惹かれました。また、恋愛なんかくそ!なロンメル含めたクラウジウス団の面々を筆頭に濃いキャラたち、馬鹿馬鹿しくてコミカルな内容でなかなかに楽しめました。2016/06/02

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