出版社内容情報
依頼人に纏わりつく死相を手がかりに、禍々しい遺産相続殺人を解き明かす!
死相が視える探偵・俊一郎のもとに、遺産相続殺人と思われる事件の捜査依頼が舞い込む。莫大な遺産の配分を指示する遺言状には、相続人の生死で取り分が増減する異様な条件が記されており――。
内容説明
中学生の悠真は、莫大な資産を持つ大面グループの総帥・幸子に引き取られた。7人の異母兄姉と5人の叔父・叔母との同居生活は平和に営まれたが、幸子が死亡し、不可解な遺言状が見つかって状況は一変する。遺産相続人13人の生死によって、遺産の取り分が増減するというのだ。しかも早速、事件は起きた。依頼を受けた俊一郎は死相を手掛かりに解決を目指すが、次々と犠牲者が出てしまい―。大好評シリーズ第5弾!!
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
奈良県出身。編集者をへて、2001年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。10年『水魑の如き沈むもの』で第10回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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軽いよみもの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
90
敵対する存在が明確になって探偵が毎度都合よく犯罪に遭遇することの矛盾は感じられないものの探偵という設定上受け身で、物語的にはマンネリに思えてしまう展開…警視庁内部の対策部署もあるのだから、いっそのこと探偵を顧問として参加させて刑事物で攻めの方向に書き進めたほうが変化があって面白いのではないか?いや呪術を肯定しているのだからもっと思い切って冒険オカルト物のほうに梶を切っていったほうが…などとおせっかいな感想を抱きながら読み進めていった今回の作品…う~ん2015/12/14
HANA
54
ホラーミステリ五巻目。莫大な遺産絡みで連続殺人が起きるというシチュエーション自体は大好きなんだけど、殺害方法が完全に超自然なのと途中の被害者が少な目な為、どうもそれを生かしきれてないような気がする。推理パートも最後にちょろっと付け足されて、唐突で駆け足の感は免れないし。弥勒教とかアスペクトとか魅力的な素材はたっぷりあるんだけど……。あ、でも真相の一部は有名な某作品や某作品を連想させられました。やっぱりこのシリーズ、無理して明るいキャラ物にしようとしてるせいか筆者のいい部分殺してるような気がするなあ。2015/12/03
瑞佳
49
わたしは三津田さんのホラーなミステリには鼻血ぶーですが、ギャグのセンスはしょうしょう疑ってます。愛染ばあちゃんとのコミカルなやりとりにほっこり、というのもあるでしょうが、個人的にはややくどさを感じるので、できればもう少し短めでお願い。アスペクト殺人などシチュエーションはとってもご馳走なんですけど、ホラーとしてもミステリとしてもどこか中途半端な気がして爽快感が得られなかったのが残念でした。殺され方も超常現象みたいだったし、あれ?死相学探偵ってこんな感じの話だったっけ?と。2017/10/07
眠る山猫屋
48
他人の死相が見えてしまう弦矢俊一郎を主人公としたシリーズ第5弾。う~ん三津田信三さんにはもっとガチガチの恐怖感を期待してしまうので(現役ホラー最凶作家さんだと思うだけに)ソフト路線は若干拍子抜けかな。出だしの少年が深夜の雪降る墓所をさ迷うシーンは白眉なだけに、なんとももったいない。シリーズを通した敵の存在も浮かび上がってきていただけに、ラストは呆気なく感じてしまった。別シリーズで、もっとじっくり書き上げても良いようなもったいなさが残ります。僕にゃんは可愛く、読み易いんですけれどね!2015/12/17
yucchi
40
半分以上進んでもほぼ事件は起きず、残りページを見て「大丈夫か?」と思っていたら後半は駆け足過ぎてあっさり終了。解決編の二転三転は著者の別シリーズの探偵を彷彿とさせる。祖母ちゃんと俊一郎のやりとりが少々クドい(-_-;) とりあえず僕にゃんに癒やされたので次作に期待。2016/07/03