あとは野となれ大和撫子

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 384p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041033791
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

直木賞・芥川賞ダブルノミネートで最注目の新鋭が挑む超王道冒険エンタメ!かつて中央アジアに存在した海。塩の沙漠となったそこは今、アラルスタンという国だ。だが大統領が暗殺され残ったのはうら若き後宮の女子のみ。生きる場所を守るため、ナツキたちは自分たちで臨時政府を立ち上げ!?

宮内 悠介[ミヤウチ ユウスケ]
1979年東京生まれ。早稲田大学第一文学部英文科卒業。2010年「盤上の夜」で第一回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞してデビュー。12年、同名の作品集で第33回日本SF大賞を受賞。直木賞にノミネートされる。続く第二作品集『ヨハネスブルグの天使たち』も直木賞候補になり、14年には同作品で第34回日本SF大賞特別賞を受賞した。17年『カブールの園』が芥川賞にノミネート。今、最も期待が集まる若手作家である。13年、第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。

内容説明

中央アジアのアラルスタン。ソビエト時代の末期に建てられた沙漠の小国だ。この国では、初代大統領が側室を囲っていた後宮を将来有望な女性たちの高等教育の場に変え、様々な理由で居場所を無くした少女たちが、政治家や外交官を目指して日夜勉学に励んでいた。日本人少女ナツキは両親を紛争で失い、ここに身を寄せる者の一人。後宮の若い衆のリーダーであるアイシャ、姉と慕う面倒見の良いジャミラとともに気楽な日々を送っていたが、現大統領が暗殺され、事態は一変する。国の危機にもかかわらず中枢を担っていた男たちは逃亡し、残されたのは後宮の少女のみ。彼女たちはこの国を―自分たちの居場所を守るため、自ら臨時政府を立ち上げ、「国家をやってみる」べく奮闘するが…!?内紛、外交、宗教対立、テロに陰謀、環境破壊と問題は山積み。それでも、つらい今日を笑い飛ばして明日へ進み続ける彼女たちが最後に掴み取るものとは―?

著者等紹介

宮内悠介[ミヤウチユウスケ]
1979年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞してデビュー。12年、同名の作品集で第33回日本SF大賞を受賞。13年、第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞、14年『ヨハネスブルグの天使たち』で第34回日本SF大賞特別賞、17年『彼女がエスパーだったころ』で第38回吉川英治文学新人賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 5件/全5件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

514
タイトルの軽やかな魅力に惹かれて購入。この著者の本は『ヨハネスブルグの天使たち』に次いで2作目。この人は創作の幅が随分広いようで、「カブールの園」(芥川賞候補作)などの純文学系もあるようなのだが、一方の本作は、内包するテーマこそ重いものの、ライトノベルかと思うくらい(読んだことがないのだけれど)ひたすらに軽い文体と人物造形である。巻末にはかなりたくさんの重厚な参考文献が掲げられているが、内容からすればハッタリにしか見えない。つまり、著者の意気込みほどには成功しているとは言い難いのである。2019/05/09

starbro

347
宮内悠介は、新作中心に読んでいる作家です。第157回直木賞候補作3作目です。初めて著者のSF以外の作品を読みました。現地を取材したようですが、常に死と隣り合わせの地域の割には緊迫感は感じられませんでした。主人公ナツキのキャラクターのせいかも知れませんが・・・宮内悠介は、やっぱりSFの方が良いのかなぁ?現時点では『BUTTER』が直木賞の本命です。2017/06/23

海猫

227
架空の国家を作り上げる手腕が見事。序盤飲み込むのに戸惑うだけで、全体的に読みやすい。別視点を各章の終わりに架空のブログ記事で挿入しコンパクトに読ませたり、仕掛けが凝って巧み。なかなかの力作ではあると思う。で面白かったか?になるとちょい微妙。地味に迫真の描写になるか荒唐無稽スレスレの派手な展開になると良かったがどっちにも寄らず、リアリティバランスのとり方が苦手。あとになるほど期待したものとはズレるので、私の好みに合わなかったと言うしかない。これ原作のTVアニメが作られるならぜひ見たいとは思うのだけれども。2017/07/29

ナイスネイチャ

218
図書館本。中東アジア小国の大統領が暗殺され、国の中枢幹部が逃亡し、大統領の後宮にいた少女たちが立ち上がり国を守っていく話。まあ出来すぎ感はありますが、ストーリ―としては面白かったです。ただ大和撫子?日本人?って感じは一切ない。2017/07/01

ホッケうるふ

216
中央アジアという日本人には縁遠い地を舞台にしてこの地域のロシア圏としての特殊性とアラル海の環境問題や食文化などを詳細かつ生き生きと描いて見せてくれた事が本作最大の意義であり収穫と言える。舞台は架空の小国だが現地に取材した作者がリアル感を醸し出す。ただそのリアルさをぶち壊してしまうのがマンガ以上にありえない場面展開の頻発。多彩な民族の主人公たちの言動も日本の女子そのまま。ただ退屈を覚悟していたクライマックスの歌劇や議会の場面などは良い出来。さらに冒頭をリフレインしたラストは実に見事で思わずウルっときた(笑)2018/09/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11625762
  • ご注意事項