出版社内容情報
『わたし、定時で帰ります。』著者のデビュー作である痛快エンタメ!
内容説明
地味で無口な派遣社員・潔子は、困った先輩や神経質な上司、いじわるな友人たちに悩まされては泣き寝入りする日々。実は彼らの嫌がらせは、謎の憑き物のせいだった。たまった恨みが爆発するとき、潔子は古来の憑き物・猫魂である飼い猫メロと合体して、黒ずくめの美女に大変身!大胆不敵な「仕返し」で、ストレス社会に付け入る妖魔を退治していく。第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞した、痛快世直しエンターテインメント!
著者等紹介
朱野帰子[アケノカエルコ]
東京都生まれ。2009年、『マタタビ潔子の猫魂』で第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kanonlicht
28
冴えない派遣OLが、古来より一族が使役してきた憑きものの猫の力を(無自覚に)使って、会社のやっかいな面々(彼ら彼女らも外来生物に取り憑かれている)を懲らしめていく勧善懲悪の話。なのだけど、猫視点で描かれているからか、ヒロインが意識を失っているうちに憑き物退治が行われるからか、スカッとするようなカタルシスはそんなにない。設定は面白くていくらでも続編が書けそうなのに、結局書かれなかったのもそのあたりに理由がありそう。2023/09/13
煮豆
28
地味な派遣社員の潔子とつくも神付きの猫(化け猫?)の勧善懲悪物語。苦手なファンタジーものだ…と思ったけれどスッキリするところもあり楽しめた。「定時で帰ります」はまだ読んでいないけれど、この物語から発展させたのが「定時〜」とのことで気になるなぁ。ドラマは途中くらいまで見たかも。2021/09/25
朗読者
17
感動☆1つ 「わたし定時で帰ります」の朱野帰子さんのデビュー作。 地味なアラサーOL潔子と、その飼猫メロ(正体は憑き物)が、潔子にハラスメントしてくる会社の同僚たちを夜な夜なとっちめていく物語。 ストーリーは単純で読み応えもあまりないが、出てくるハラスメントは現実にはよくありそうで、この手の輩に悩まされている人は多いと思う。 「わたし定時で」の下地がこの作品には溢れていました。2020/09/20
NAOAMI
15
地味で口下手で化粧も自分磨きにも消極的なアラサーOL潔子。派遣社員という微妙な立場もあり日々会社から鬱々とした事象を持ち帰る。その元凶が相手になった同僚らに取り憑いた動物や植物だと言うから話はどうなる?と引き込まれる。彼女と暮らす齢千何百年の猫が潔子に取り憑き、地味キャラを確変させて仕返し溜飲を下げる。勧善懲悪モノ。アラサー独身に浴びせられる固定観念、女同士の嫌味、上司のハラスメント。潔子のストレスが恨みとなり怒りが頂点に達すると発動する猫魂キャラ。彼女本人の超マタタビ体質も炸裂するあたり活劇的でもある。2020/12/03
たぁ。
13
「わたし定時で帰ります」とはぜんぜん違った話でした。猫魂。そうか、性格がキツイ人って、何かに憑かれているんですね。(お話的には、ふぅ~ん、って感じでした)2021/05/19