出版社内容情報
天才と呼ばれる若き発掘師・西原無量が派遣されたのは、島根県出雲市にあるいわくつきの神域。無量が青銅製の髑髏を掘り当てた途端、地元名家の跡継ぎが発掘現場で遺体で見つかり……。シリーズ第2弾!
内容説明
次々と国宝級の遺物を掘り当てることから天才と呼ばれる若き発掘師・西原無量が派遣されたのは、神々の集う島根県出雲市。だが発掘現場の厳谷は、対立するふたつの旧家、降矢家と八頭家にゆかりの神域で、うかつに手をつけると祟りがある…と地元で囁かれている場所だった。不穏な空気の中、無量の手で青銅製の髑髏が出土。それと呼応するように、発掘現場では八頭家の跡継ぎ・孝平が遺体で発見されて…。シリーズ第2弾!
著者等紹介
桑原水菜[クワバラミズナ]
千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
93
シリーズ第ニ弾、の一冊。今回の舞台は出雲。知識は皆無だけれどもうそれだけで心は踊る。祟りといういわくつきの神域での発掘。その地で対立する旧家、降矢家と八頭家。そして遺体で発見される八頭家の跡継ぎ…と、横溝ワールドを匂わせるおどろおどろしさもたまらなかった。正直複雑な関係、展開に混乱したけれど、神々が集う出雲、天皇家との旧家の関係、日本の歴史の裏には隠された秘密があるのか…等、最後まで心くすぐられた。知識なくともロマンを感じられるのがこのシリーズの最大の魅力かも。2018/12/20
papako
75
シリーズ2冊目。長かったけど、楽しめた。神話の話が現代までつながって悲劇をおこす。なんだかな。そんなことにこだわる人たちので気持ちは分からないけれど、日本とは天皇とは、そう言う存在なのかもね。相良忍もカメケンに合流した。萌絵の言動も気にならなくなってきて、1巻よりは読みやすかったかな。まだまだ続くこのシリーズ、ぼちぼちですね。2019/04/09
青蓮
67
旧家の争いの部分は何か横溝◎史ワールドを彷彿とさせるようなタブーなかおりが漂ってましたね。無量が少しずつ柔らかくなってきているのが分かって、安心。続編も期待。2017/02/28
Bugsy Malone
67
シリーズ2作目。1作目は面白かったのだけれど、活劇的な趣が多く期待とは少々違っていた。今作もそのつもりで読んでいたら、途中から「これは面白い!」と地図まで引っ張りだして読んでしまった。舞台は出雲。出雲神話、南北朝、GHQ、特攻隊、それに二つの旧家の確執という横溝正史的な要素も加わり、かなり濃い内容になっていてる。係わる人物達の悲哀にも揺さぶられてしまった。今作は当たりでした。2016/09/22
ブランドのアーメン
60
シリーズ第2弾。歴史に縛られた2つの名家を舞台に太平洋戦争、天皇家という壮大なキーワードがスケール大きく展開していく。無量の天才ぶり、ツンデレは相変わらずで犯人も予想出来たがどんでん返しの構成。歴史殺人ミステリーというか、歴史に今を縛られた人達の悲哀の物語。2015/12/24