内容説明
骨董品店で起きた店主殺人事件、偏屈な古書店主を襲った思いがけない災難、芸能プロダクションの社長が挑んだ完全犯罪、火村が訪れた海辺の理髪店でのある出来事、悩みを聞いてくれる店“みみや”での殺人事件。「どうぞお入りください」と招かれて、時には悪意すら入り込む。日常の異空間「店」を舞台に、火村英生と有栖川有栖の最強バディの推理が冴える。極上ミステリ集。
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
大阪府出身。同志社大学法学部卒。1989年『月光ゲーム』で作家デビュー。書店勤務を続けながら創作活動を行い、94年作家専業となる。2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サム・ミイラ
291
初読み作家。本格派の雄との評価は知っていたがライトな印象。おそらくは軽く推理を楽しむためのアンソロジーなのだろう。それぞれ趣きが違う短編集である。私のいち押しは「ショーウインドゥを砕く」。これはそう、あの倒叙形式の傑作刑事コロンボそのもの!狙って書いたのは間違いない。見事に擽られてしまった。そして潮騒理髪店のレトロな感傷。列車にハンカチを振る女性は「砂の器」紙吹雪の女へのオマージュか。読み込めば至る所にリスペクトがある。確かに軽い。だが読み応えとしばし余韻に浸れる佳作。有栖川有栖はやはり凄い作家だった。2016/10/13
starbro
247
有栖川有栖の作品はあまり本格ミステリという感じはせず、気楽に読めるミステリだと思います。計画性のあるようで計画性のあまりない犯罪のため、突っ込みどころが満載ですが、科学捜査の進化や防犯カメラの増殖等で犯罪者がかなりつらい時代になっている気がします。犯罪者をかばう訳ではないですが、推理作家にもリアリティを出そうとすると結構厳しいのかも知れません。2015/02/24
紅はこべ
221
変則アリバイもの、倒叙もの、赤毛連盟パターンと色々と目先を変えた工夫を凝らした短編集。見せをテーマにまとめたという着眼点が面白かった。2015/03/19
Aya Murakami
213
図書館本 骨董屋、古本屋、芸能、理髪店、そしてタイトル通りの怪しいお店(風俗ではない) なかなか本を売ろうとしない頑固おやじの古本屋…。どうしても欲しい本なら十日待ちますね。学生時代誘惑者という本がどうしても欲しくてかなり遠くの古本屋に電話して取りに行ったことを思い出しました。未練満々の店主に熱意満々の客という取り合わせも話としては面白い…かも?そういえば本作の古本屋があった京都って古本屋が多かったですね(過去の記憶)2019/09/21
ダイ@2019.11.2~一時休止
193
作家アリスその22。お店にまつわる短編集。ショーウィンドウを砕く・潮騒理髪店なんかがイイ。2014/11/16
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