角川文庫<br> プロメテウスの乙女

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角川文庫
プロメテウスの乙女

  • 著者名:赤川次郎
  • 価格 ¥528(本体¥480)
  • 特価 ¥264(本体¥240)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • ポイント 2pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041879948

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内容説明

19XX年、日本は急速に右傾化の方向を辿り始めた。武器輸出解禁、秘密警察によるスパイ狩、徴兵制の準備等、声なき声は圧殺され、軍国主義一色となった。さらに時の総理滝の肝入りで、国を愛するうら若き乙女の軍団が組織され、庶民に対する弾圧粛清は厳しいものとなった。戒厳令下、反対勢力は、体内に爆弾を埋めた3人の女性テロリストを滝首相の許へ派遣するが……。来るべき時代の恐怖を描く、近未来サスペンス小説の傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

『よ♪』

53
再読。赤川作品としては極めて異色な近未来サスペンス。初読は幼少の頃。その後の読書傾向、モノの見方、考え方に影響を与えた個人的に最重要作品──。右傾化の進行と形骸化する与野党、蔓延る隠蔽。徴兵制導入と軍需産業の更なる発展を目論む首相。米国間の軍事利権と結託。"プロメテウスの乙女"は首相の手引きで作られた少女のみで構成する武装組織。政治的プロパガンダに擦り寄る大衆。"やった感"が大好きな民衆。力を持たない者の反抗、それはテロ──。この歪んだ社会は現実に歩んだ道程。辿り着いた現在は輝いてる?現在から進む未来は?2021/02/28

そうたそ

28
★★☆☆☆ 後の「東京零年」に連なるテーマ性を孕んだ異色作。普段の赤川作品に見られるようなユーモア性は皆無で、終始シリアスかつ冷静なストーリー展開が赤川次郎としては異色である。この作品を現代社会と重ねる人もいるだろうが、そもそも個人的にはそちら側の思想の持ち主ではないので、あくまで作品は作品だし、別に未来を予見していた、すげーとも思わない。赤川さんにしても、作品は作品として書いており、個人の思想とはまた別のものとして作品は存在していると思う。内容的には異色だが、いつもの赤川作品の方が面白いよねという程度。2017/07/20

とんこ

26
昔々に読んで強烈な印象だった本。これでギリシャ神話のプロメテウスを覚えた。再読ではそこまで強い印象はなかったけど、日常が独裁的軍国主義に傾いてゆく不気味さと、抗うために命をかけるしかなかった若い人の哀しさ、銃乱射や爆破テロ事件のニュースを目にする事の少なくない今複雑な思いで読了。2024/04/13

『よ♪』

20
実は再読。ずっと子供の頃に読んだ。違う表紙の角川文庫。当時は『まさかね。良くできたフィクション』的な?だって平和だもんね、裕福だもんね的な?でも、すっごくすっごく時間をかけて変わってない?アレに媚びうる感じも含めて、長い長い年月かけて変えてない?あの人に感じた不安、この人では見た目の穏やかさに紛れて伝わりにくい。ホントにみんな真剣に考えてる?勿論『右』『左』『平和』『軍事化』、結果がどっちに転ぶかなんてわからない。どっちが得かもボクらには当然わかりっこない。2017/11/25

波多野七月

18
これは本当に、フィクションなのだろうか。急速に軍国主義化した近未来。制服にその身を包み戦う、「プロメテウスの処女」と呼ばれる少女達がいた。無抵抗な市民までもその命を平然と奪い、畏怖の対象とされていく美しい少女達。出版物の規制や映像作品の取り締まりといった描写に、今生きている〈時代〉を思わない読者はいないだろう。反体制と見なされ、無残にも追い込まれていく一般市民。体内に爆弾を埋め込まれた、テロリストととされる3人の女性の姿に読者は何を思うだろうか。これが、30年も前に書かれた作品だということが凄まじい。2017/03/29

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