内容説明
平凡な家庭の主婦・留美子は、ある日玄関先で、事故で亡くした息子と同じ名前の少年と出会い、家に入れてしまう。後日、少年を追って現れたのは、白いワンピースに白塗りの厚化粧を施した異様な女。少年の母だという女は、山口葉月と名乗り、やがて家に「寄生」を始める。浸食され壊れ始める家族の姿に、高校生の次女・美海はおののきつつも、葉月への抵抗を始め…。
著者等紹介
櫛木理宇[クシキリウ]
1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
248
ホラーは少なからず読んでいるジャンルです。櫛木理宇は初読ですが、最近のホラー作品の中ではゾクゾク感満載で一気に読みました。やっぱり世の中で一番怖いのは人間なんでしょうね!バットマンのジョーカーを和風にして女性にすると山口葉月になるんだろなぁ!2015/01/22
🐾Yoko Omoto🐾
175
人を食い物にする奴らは、仕掛けた罠に確実に誘導されてくれるであろうターゲット家族を周到に選ぶ。そしてそれぞれのウイークポイントを利用し、飴とムチを巧みに使い分けながら、狡猾な技をもって徐々に懐柔し支配していく。正常な思考があれば、置かれている状況のおかしさに気付いて然るべきなのだが、その思考能力を巧妙な手口で全て奪われたとしたら…。崩壊させるまでのプロセスが「尼崎連続殺人」などの洗脳事件と酷似していて背筋が寒くなる。幕切れは少々呆気なかったものの、家族の人格が破綻していく様はリアルで読みごたえがあった。2016/06/21
YM
147
僕はたまに洗脳系の本が読みたくなる。洗脳というと仰々しいけれど、夫婦、親子、友達、上司と部下など、身近なところでも似たようなことは起こり得る。実際はたから見ると、あーもうコントロールされちゃってんのかなあって思う人を結構知っているし、僕自身も経験がある。なんなんだろうなあこの感覚って。人の目ばかり気にして、変な責任感に縛られて。自分のことは自分が一番分かっているって思うのは気のせいなんだろう。ほんとに人はあいまいだ。2015/05/12
barabara
147
これは…櫛木さんの新境地なのか?それとも週刊誌の事件ルポに触発され編み出されたのか?じとーっとしてるなんてもんじゃなく、みるからに空恐ろしい乗っ取り婆の異常さをねっとりと嫌らしく、読む者をこれ以上ないくらいの不快さワールドへ送り込んでくれる…延々と続く乗っ取りの歴史…なのに何で!表紙が可愛すぎるじゃないか?!しかも婆さんじゃない!完2014/08/27
machi☺︎︎゛
145
イヤミス⁇オゾミス⁇ホラー⁇どれもしっくりこないけど確実に言える事は、とにかく気分が悪い!!褒め言葉の方で!実際に北九州であった事件がモチーフになってるらしく所々リアリティもあり怖かった。その女を絶対に家に入れてはいけない。さもないと家族内で憎み合い、騙され合い、人間としての理性を奪われてしまう。全然逃げれるじゃん。なんて考えはその女の毒牙にかかってしまえば1%も無くなってしまう。でも最後まで諦めない人がいてくれて良かった!!2020/03/03
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