内容説明
お宝鑑定番組でテレビカメラを回していた桃井初音は、出品された江戸時代の人相書に不思議な引力を感じる。誰が描いたともしれないその墨絵にふと指先が触れた瞬間、脳天にドンと衝撃がきて、初音の意識は過去へと跳んだ。220年の時を遡り、江戸の町娘・はつの肉体に精神だけが宿った初音。かくして奇妙な縁で強制的にコンビを組むこととなったふたりの前に、絵師・東洲斎写楽が現れて…。胸躍る時代ミステリー開幕!!
著者等紹介
鳴海章[ナルミショウ]
1958年北海道帯広市生まれ。日本大学法学部卒業。91年『ナイト・ダンサー』にて第37回江戸川乱歩賞を受賞。航空冒険小説家として名を馳せる一方で、警察小説・時代小説も得意とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miroku
25
講釈師、見て来たような嘘をつき。と言う言葉を思い出す。こういうのは好きだ♪2018/06/23
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
24
読む順番が逆ですが、シリーズ1作目。 物に触れると、それにまつわる過去の事象を目の当たりにすることができるポストコグニション能力や、表聡一郎との馴れ初め、思わせ振りに登場していた彩雲など、シリーズの設定がよく分かってスッキリ。 初めて能力を使った初音は、江戸の彫師の娘・はつに憑依。 はつの脳内でパニックったり喧嘩したりしながら、親友のようになっていくのが面白かったです。 写楽の謎の真相も、見てきたような説明に(笑)なるほど~と納得。 江戸時代の人々の暮らしぶりも興味深く楽しめました☆2014/10/30
よっしー
11
二巻目が新撰組を題材に!! という訳で、その前作から読んでみました。精神だけタイムスリップし、一人の人の日常からその当時を知る。中々に壮大なテーマでしたが、面白かった!! その時代が好きな人間からしたら、自分でその当時を体験できるなんて、幸せだろう(笑 残念ながら、写楽や北斎等、名前しか知らなかったので深くのめり込めなかったのが勿体無かったかな。とりあえず、次に期待!!2015/08/15
さい
10
面白いのだけど随分読むのに時間がかかってしまった本でした。ただ登場人物が史実を元にしているので若干弱いかな?という気がしました。主人公がお酒を美味しそうに飲んでいるのが印象的。あとテレビの番組について少し辛辣だったかとおもいました。2015/09/12
アキ
9
初めましての作家さん。 タイムスリップものって色々あるんだけど 本作では本人の意識だけが、触れた物の関係者の 体にダイブするって感じで、予想外に面白かったです。 写楽が誰であるかという話ではなく、 絵師ではなかった人が、何故絵を描き始めたか。 何故、短い期間だけで消えたのか。 その理由を初音のトリップを通して見てくるって感じかな? その中で見えてくる繋がりとか、写楽誕生のきっかけが なるほどって感じ。 こういう色んな説のお話を読むのは大好きです♪2017/10/07