出版社内容情報
恋する女に唆されて親分を手にかけ遠島送りになった黒岩のサブが、江戸に舞い戻ってきた――!? 喜びも哀しみもその身に引き受けて暮らす市井の人々のありようを描く大好評人情時代小説シリーズ、第二弾!
内容説明
ある日猫字屋のおたみの許を訪ねて来た鹿一。髪結の腕も確かで雛男の彼が雇人を続けていたのには他人に言えない訳があって…。別の日、思案橋の欄干に窶れ果てた姿をさらしていた姉妹弟子のおしん。吉原で花魁を務める姪に一目逢いたい―余命幾ばくもない彼女の願いを叶えようとおたみ達は画策する。共に笑い、共に泣き、言葉にならない哀しみ苦しみに心を寄り添わせようとする人々を温かく描きだす人情時代小説第2弾!
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業後、画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。2003年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
119
髪ゆい猫字屋繁盛記「寒紅梅」2巻。今井作品久しぶりに読んだかな?髪ゆい猫字屋に集う人たちの喜怒哀楽を描いた物語、独特の江戸の言葉が面白くて好きですよ、猫字屋に雇われた鹿一さんのが気になるが次巻を読もう。2015/04/04
はにこ
33
喜三次のシリーズからこちらにやっと戻ってきた。困った人が居ると放っておけない照降町の人々。病の人、親を失った人も助け合いながら生きる。昔ならではの良さを感じる。瑞泉の恋が良いなぁ。目が肥えた男が好きになる相手にぴったりだ。鹿一の過去が気になる。疚しいことじゃないと良いけど。2021/09/20
のんすけ
31
はじめ「甘露梅」と間違えてブクオフで購入。途中で気づくものの、こちらもチャキチャキの江戸言葉に市井の暮らしぶりも窺え楽しい1冊だった。また、髪結いおたみの情の厚さや周りの人達の温かさ、お互いを思いやるやり取りに私も浸りながらの楽しい時間だった。シリーズ物の途中だったが、初めてでも楽しめ、またこの後の話も気になるところ。また読みたい時代物が増えてしまったようです。2018/04/12
ケイプ
10
照降町、髪ゆい猫字屋を中心に、泣いたり笑ったり支えながらそこで暮らす人々の人情時代小説。鹿一の黙して語らない過去も気になるし、瑞泉とおてるの恋の行方もどうなるか、次巻も楽しみです。2014/12/11
まき
8
困っている人がいたら皆で助け合う、なんて人情にあふれているんだろう。また血の繋がりは無くとも親子の情は素晴らしいね。新しい髪結いの鹿一の過去が気になる。2021/09/30