出版社内容情報
変格キャラクターミステリシリーズ第1弾“館モノへの挑戦状”
一本の電話により、「魔神館」と呼ばれる館の落成パーティーに参加することになった白鷹黒彦。そこで起こる凄惨な殺人事件。不思議な少女・果菜とともに謎に立ち向かう黒彦だが??!?
内容説明
覚えのない女性からの電話により、「魔神館」と呼ばれる洋館の落成パーティに参加することになった高校生・白鷹黒彦。果たしてそこは、12星座に見立てた石像と、妙な配置の部屋がひしめく妖しげな洋館だった。そんな館での夜、不可解な殺人事件が発生。嵐で孤立する中、その後もありえない状況で次々と人が殺されていく…犯人は参加者か、それとも館に佇む魔神像の仕業か!?黒彦と世界最高の知性・犬神清秀の推理が始まる。
著者等紹介
椙本孝思[スギモトタカシ]
1977年、奈良県生まれ。2002年『やがて世界は詩に至る』でデビュー。ホラー、サスペンス、ミステリー、青春小説など、様々なジャンルで活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
73
【犬神兄妹と黒彦シリーズ】第1弾。亡くなった父親の代わりに、山奥の洋館魔神館の落成式に白鷹黒彦は招待される。12の星座とサークルの中央に巨大な石像がある館に、12の星座の部屋と其々の星座の人々が集まる。やがて嵐によるクローズドサークルと化した館で、次々と殺人事件が発生する。物語の設定からは、これでもかの本格館ミステリの雰囲気が感じられるが、黒彦と絡む犬神兄と妹の果菜が、如何にもアニメ的キャラで不思議な感じだ。ミステリとしては想像はつくのだが、せめても伏線や暗示の仕方から論理的な推理が出来る方が良いと思う。2021/03/20
へくとぱすかる
63
8年越しの積読。ようやく開巻しました。抜群にリーダビリティが良くて、中盤は1分で10ページも読めました。ここまで速く読めて、ほぼ理解できるミステリも珍しい。同じ「館」でも、小栗虫太郎の「黑死館」ならこうは読めないはず。オビに「"館ミステリ"への挑戦状」とあるが、まさにその通り。古典や新本格の定石をパロっている要素も楽しい(何がそれとは書けませんが)。とはいえ魔神信仰や人物の過去に意外性を取り入れたり、嵐で孤立した山荘という設定で、物語を盛り上げているのはさすが。読み終わってもやっぱりハテナちゃんは謎だ。2020/08/22
りょうこ
56
大好物の設定。期待して読みました!そして期待を裏切らない面白さ!キャラ立ちも良く、結構な厚みがあるのに会話が軽妙でポンポン読めた!次作を2冊手元に置いてあるので早速第2段に取り掛かります!次は学園ものだぁ!2013/02/06
ヒロユキ
36
大ネタが大雑把過ぎるせいで推理小説、ミステリとしては物足りない。それでも主人公の思考過程は割りとまともだし、キャラクター、雰囲気読みすればけっこう面白い。2012/12/20
ありす
35
初読み作家さん。想像以上に本格的で面白かったです。ある日魔神館という館のパーティに参加することになった高校生の黒彦。12星座をモチーフにしたこの館で不可解な殺人事件が起こる。よくあるクローズドものですが、全く予想だにしない結末でした。タイトルの魔神やサツリクからは不気味な空気が漂いますが、ハテナという女の子のおかげで怖さは減り、怖いのがダメな私でも楽しめました。読後は若干清々しくもありました。ページ数はありますが、犯人が気になり一気読み。シリーズもののようなので次も読んでみたいと思います。2019/02/05