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出版社内容情報
その日、グレンは彼女の墓地に花束を捧げていた。その脳裏には彼女――セラを喪ったあの日の記憶が鮮やかに蘇っていた。ジャティスが引き起こした『天使の塵』事件。訪れた別離の瞬間にセラが遺した言葉は――
内容説明
「カニ狩りに行くぞ」セリカの一言でグレンたちは海へ向かう。そこにはとんでもない大冒険が待っていた!?―『セリカの南海大冒険』。イヴが住んでいた安アパートが全焼!イヴは必死に物件探しに挑むことになったのだが…?―『家なき魔術師』。ボクシング大会に参戦したグレン。当初は懸賞金目当てだったグレンだが戦いの中で好敵手に出会い―『熱き青春の拳闘大会』。そして―グレンはその日、彼女の墓地に花束を捧げていた。“比類なき風にて優しき風、セラ=シルヴァース、ここに眠る”そう刻まれた墓碑の前でグレンは思い出す。二年前、ジャティスが引き起こした惨劇と、セラとの別離の瞬間を―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
忘れたくても忘れられない、彼女を喪った哀しき記憶。ジャティスが引き起こした『天使の塵』事件でセラを喪ったあの日の記憶が鮮やかに蘇る書き下ろし中編を含む短編集第十弾。セリカの号令で白猫たちと向かうカニ狩り大冒険、イヴが住んでいた安アパート全焼から始まる物件探し、金目当てで拳闘大会に参加したグレンの結末、そしてセラの墓碑の前で思い出すニ年前の惨劇。セリカの話はいつもの三人を巻き込んでのコメディ、イヴの残念な部分が垣間見える短編も良かったですけど、このタイミングだからこそセラのエピソードがなかなか重いですね…。2022/11/19
くろ
5
さすがは我らがイヴちゃん。今回も最高だっ……た……。 ……よくあのバッドエンドから復活した……。2023/10/06
椎名
4
短編集もとうとう10巻の大台に。今回の書き下ろしはとうとうあの話。短編集という形でなければ語られることはあっても描かれることはなかったであろう一本だっただけに、それを本編もクライマックスを迎えているこのタイミングで出してくるのはズルい。これを読んでしまうと、イヴとの関係性今ほど回復したことは奇跡的に思える。なんだかんだと、きちんと過去を過去にしていけている実感のわく一冊となった。2022/12/22
bluets8
4
大台10冊目のロクでなし短編集。イチオシは二話目。ツンデレを拗らせて残念負けヒロイン街道を驀進するイヴが、清く正しい正統派ツンデレを最後までやり切る奇跡。これは強い。書き下ろし短編はすでに本編で事実関係が語られているというのもあるが、セラの心情としても新たに語られることがなくて、国の上層部とジャティスにヘイトを貯める方がウェイトが大きかったように思う。本編に繋げる意味では正しい構成なんだろうけど、うーん。2022/11/24
ちゃか
3
中編の「Lost Last word」は表紙からもわかる通り、グレンとセラが死別することになるエピソードの詳細を描いてるわけで……痛かったですねぇ。 展開を知っているからこそ、なお。この直前、状況が整っていたのにグレンは相性最悪の敵とぶつかり、2人を死なせてしまう経験をしていて。 それで限界が来て辞めようとした彼を、セラがつなぎとめてくれた。あるいは、惰性であったとしてももう少し正義の味方であれたかもしれない。 でも、そうはならなかったんだよな……という結末が痛い。2023/01/14
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