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内容説明
その異世界は滅びかけていた。人が結晶となり消え、白い砂漠に呑まれゆく中で、現代からの迷い人・ケースケは元の世界に帰る方法を探し求めて、蒸気自動車で旅をしている。あるとき成り行きで、道中に出会ったハーフエルフの少女・ニトの“探し物”を手伝うことになり始まったちぐはぐな二人旅は、生き残った人々との出会いと別れを重ねていくうちに、少しずつ変わり始めていく。やがて、あらゆる問いに正しい答えをくれるという“魔女”のもとを訪れた二人は、それぞれの“探し物”について尋ねようとするのだが―!?じわり心温まる、異世界ロードムービーファンタジー開幕!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まっさん
44
★★★ 崩壊しつつある異世界に転移してしまった一人の少年がある目的を求めて旅をするハーフエルフの少女と共に旅をする話。物語にそこまで大きな起伏はないものの決して退屈に感じるわけではなく、崩壊した世界で彼らが紡ぐ数少ない縁を通して体験することが出来るどこか温かい温もりを楽しむことが出来る物語。様々な人との出会いと別れを通して培われていく彼らの関係性は微笑ましいものがあり、略奪者などのストレス展開もないのでそういった意味では終始安心して読み進めることが出来る。彼らの行く末がどういったものになるのか最後ま→2020/02/29
星野流人
37
すっかり滅びかけている異世界を舞台に、現代日本から迷い込んできたケースケがあてもなく旅をするお話。道中で出会った絵描きのハーフエルフのニトとの二人旅は、時に賑やかで、時に寂しい。旅の途中で出会った人たちとのささやかな交流は、せつなくもあたたかいエピソードばかりでした。これからも旅が続くとは思うのですが、この1冊の中でも伏線がしっかりと回収されていて、きれいにまとまっている作品でした。派手なアクションや魔法があるわけではない、ゆっくりと心に染み渡る素敵な旅の物語です2021/06/27
レリナ
37
異世界ものだが、チートや能力があるわけではなく、異世界に迷い込んだケースケがハーフエルフのニトと蒸気自動車で旅をする話。文章が非常に巧みで、特に料理をして食べる時の描写が読み手にその雰囲気や美味しさが伝わるかのような、擬似体験ができる、素晴らしい表現力だと思う。迷い込んだ異世界は滅びかけ、しかし、ニトと出会ったケースケの考えは徐々に変容し、二人で旅をすることで一人異世界に迷い込んだケースケの心は満たされていった。この作品を読んで作者の前作に興味を持った。こういう読ませる文章好きだ。次巻に期待。2020/05/09
オセロ
35
魔力崩壊によって滅びかけの世界に迷い込んだケースケがハーフエルフの少女のニトと互いの探し物を求めて旅をする物語。 旅の途中で出会う人達との話はどれも心温まるものでした。 また、旅を通じてお互いを大切で必要な存在になる2人は純粋に素敵だなと。 次巻ではどんな出会いが2人を待っているのか楽しみです。2020/06/17
た〜
32
ヤカンに乗って旅をする話。異世界に召喚されてみたら世界は滅びかけていました。なんて身も蓋もない羽目に陥るのだ(笑)ヒロインがハーフエルフである意義はシリーズ化されたアカツキには明らかにされるのかしら?2020/03/07