出版社内容情報
「僕は祓い屋などではない。半分化け物の、万華鏡作家だ」繁華街を逸れた路地に佇む、小さな万華鏡専門店。妖異に容赦なく、甘味に弱い万華鏡師・佐香は、「人を喰う美」を作り出す唯一無二の万華鏡師。そんな彼の作り出す幻想に惹かれ、今日も人外なお客がやって来る――
花川戸菖蒲[ハナカワドアヤメ]
1998年『いつも空にキラリ』で単行本デビュー。多数の人気シリーズや著作を持つ。
石据 カチル[イシズエ カチル]
内容説明
駅前繁華街から一本入った昭和の佇まいを残す横丁にある、小さな名もなき万華鏡専門店。お店に並ぶのは、佐香の手による美しい万華鏡たち。家事全般は年下オーナーの森住に任せっぱなし、生活能力皆無で金銭にも無頓着という男だが、彼が創るのはただ美しいだけの玩具ではない。「僕は祓い屋などではない。ただの万華鏡作家だ」妖異に容赦なく、美味しいものに弱い。唯一無二の万華鏡師・佐香の創り出す幻想に惹かれ、今日も人ならぬお客が訪れる―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
43
あやかしを視る能力を持つ万華鏡作家と、そのパトロンの美青年の物語。男子二人のコンビが、ちょっと狙いすぎかなとも思ったけれど、キャラクター小説としてまとまっている。シリーズが進んで、性格が固まってくれば、もっと面白くなるはず。2016/10/18
瀧ながれ
21
万華鏡に悪しきものやこの世にあるべきではないものを封じ込めるという設定が、その描写もあわせて美しくてよいなあ、と思いました。でもそれよりなにより、大金持ちで人当たりがよくて料理も抜群にうまいパトロンが、うらやましくてうらやましくてうらやましいです(正直な感想)。万華鏡は好きなので、でも自分で所有したいとは思わないので、主人公のお店を訪ねてあれこれ鑑賞したいです。できれば作ってる様子も観察したいなあ。ふつうのやつで構わないので(特殊なやつは、製作途中を見るのも怖いですね)。2016/12/14
アカツキ
12
万華鏡の中にあやかしを閉じ込める力を持つ万華鏡作家・佐香と生活力皆無の彼を支える年下パトロン・森住が出遭う怪奇譚。連作短編3作品収録。一応ホラー要素はあるんだけど、容姿端麗な二人がBLにならない路線でイチャイチャするのを眺める小説という印象が強い。三話目の序盤で離脱。単純に私には合わなかった。2021/06/21
しましまこ
10
美味しいごはんと万華鏡!2016/10/30
punto
7
電車のなかで読んだのですが、疲れていたので寝落ちしました、すみません(汗)。途中で起きて復活して読みきりました。ちょっとBLっぽい雰囲気を感じました。二人の関係性がユニークだとは思いましたが、ちょっと私の好みより記号的だったかな。2017/05/07