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内容説明
「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」いつも大切なことを教えてくれた明里、そんな彼女を守ろうとした貴樹。小学校で出会った二人は中学で離ればなれになり、それぞれの恋心と魂は彷徨を続けていく―。映画『秒速5センチメートル』では語られなかった彼らの心象風景を、監督みずからが繊細に小説化。一人の少年を軸に描かれる、三つの連作短編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Mumiu
59
読んでいる間じゅう、頭の中を山崎まさよしの"one more time one more chance"が流れまくる。「言えなかった『すき』という言葉も」。それは本当に奇跡のような出会いと別れ。いつも空から俯瞰しているような彼。彼女以外の女の子たちはそれ以上近づくことができないのをわかってしまうんだろう。この別離、喪失感、切なさ全開っぷりがツボです。新海誠はその絵も美しいが、言葉で作る世界も繊細で優しくて美しい。2017/06/15
ゆきち
46
『秒速5センチメートル』って桜の花びらの落ちるスピードだよ。大切な彼女が教えてくれたこと…一緒に桜を見ようと約束していたけど、叶わない。少年の初恋は淡くて切なくて、そしてとても綺麗だった。中学生、高校生、大人の彼を中心に切ない恋が描かれた三つの連作短編でした。映像もぜひ見てみたいです。中学生の頃に抱いた淡く切ない初恋って今でも大切な思い出なんですよね、そんな心のアルバムをひらきながら読みました。不器用だった中学生の私ってがとても可愛らしいなぁ。などと(笑)2015/02/27
NAO
30
アニメは見ていませんが気になったので一気読み。好きな部類の本でした。貴樹の心の葛藤がいいです。別な意味できれいな終わり方です。2016/09/01
わった
29
繊細な青春小説です。アニメ映画を先に見てから読みましたが、どちらも良かったです。監督自らのノベライズというのが良い。ここに書かれていることは、人生で見れば通過点の小さなものでしかありませんが、しかし掘り下げていけばその人を形成するきっかけとなっています。この小説だけではなく、誰もがそうであると気づかせてくれる事、共感して胸が締め付けられるような感情を抱いてしまうことが、この小説の魅力なのではないかなと思います。2016/03/16
たいぱぱ
19
新海誠さんの作品は、映画・小説含めてはじめてです。こんな切ない話をアニメ映画化するって驚きでした。全ての映画がどうかわかりませんが、コアなファンがいるのも納得です。切なくて、儚くて、美しい映像が浮かぶようで、特にラストを是非映画版で見てみたくなりました。凄く好みの作品ですが、結局誰一人幸せに出来てない遠野くんに対するモヤモヤは拭えません。2017/07/15