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出版社内容情報
愛するものを幽界に残し、自分だけが現世にもどってくる、炭焼小屋の兄弟を描いた異色作が、赤羽末吉により絵物語化されました。 小学校中学年から一般むき
内容説明
一郎と楢夫の兄弟が、峠で猛吹雪にあい遭難。現世と他界の境界をさまよいますが、終始、愛する弟をかばい、捨てなかった兄ひとりが生還します。赤羽末吉の絵入り愛蔵版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
52
幼い兄弟一郎と楢夫が雪嵐の中、家路をたどるが凍えそうになって・・・。現世と異なる不思議な世界に「その巨き人」のひかりの素足を見る。そこに宗教的な啓示?があるのだろうか。弟を決して見捨てずかばった兄を賞賛する?宮沢賢治が書きたかったのは何だろう。赤羽末吉さんの絵は、やはり別格だ。2021/04/19
ばっか殿すん
25
うわぁぁ…!!…これは美しいと表現した方がいいのかなんなのか…淡く儚く、そして、強く眩い…光でしょうか。。2014/08/07
ベル@bell-zou
23
一郎と楢夫。兄弟の生と死を分かつもの。”光のすあし”は弟をかばう兄の犠牲の心だという。鬼の言う”きさまたちの出かしたこと”。大人でも子供でも”生きている”ただそれだけで罪作りだというのだろうか。絵は赤羽末吉さん。重苦しい白の世界、吹雪から異世界を彷徨う兄弟の表情が描かれないことが不安と緊張をあおるが、薄暗い剣の野原から一転、湖の彼方の輝く館の対比は成仏した魂を感じる。シューベルトの魔王をイメージしながら読んだ。●表紙見返しレビュー:『銀河鉄道の夜』を予告している2019/01/25
山川欣伸(やまかわよしのぶ)
16
宮沢賢治の生前には未発表だった作品です。この物語は、炭焼き小屋で目覚めた兄弟、一郎と楢夫の冒険を描いています。彼らは父の知り合いである馬方によって家に連れて帰られる途中、吹雪に遭遇し、最終的には雪に覆われてしまいます。 この物語のテーマは、家族の絆と自然の力、そして人間の強さと脆さです。一郎と楢夫が直面する自然の厳しさは、彼らの身体的な限界を試すと同時に、兄弟愛の深さを浮き彫りにします。物語を読み進める中で、私は彼らの旅路が、ただの物理的な移動以上のものであることを感じました(続く2024/04/28
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
吹雪の中遭難してしまった一郎と弟の楢夫兄弟。生と死の狭間で行った光の国は、夢だったのでしょうか?現実だったのでしょうか?赤羽末吉さんの遺作、吹雪の凄さが伝わってくる迫真の絵です。『 山小屋 / 峠 / うすあかりの国 / 光のすあし / 峠 』2021/05/05