出版社内容情報
ピザ屋の裏のゴミ箱から人生が始まった少女〈泣き虫エイプリル〉。里親から里親へと渡り歩き、ついにピザ屋の裏へたどりつく。数々の賞に輝く英国のベストセラー作家の話題作。
内容説明
「泣き虫エイプリル」それがいまのあたしのあだ名。でも「エイプリル・フール」おばかのエイプリルよりはまし。「ダストビン・ベイビー」ごみ箱ベイビーよりはうんとうんとまし。そう、あたしの人生はピザ屋のうらのごみ箱からはじまったんだ。カーネギー賞、ガーディアン賞他数々の賞に輝く、イギリスのベストセラー作家ジャクリーン・ウィルソンの話題作。小学上級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
35
コインロッカーベイビーをおもいだした。14歳、里親を転々としてきたエイプリル。彼女が捨てられた日でもある誕生日。里親と喧嘩して家を飛び出したエイプリルは過去へと旅を始める…。つらいけれど、新しい始まりをおもわせる最後にうるっときてしまいました。家族は一番最初の社会。つまづいては少しずつ傷を負って、息を潜めつつ、生きている彼女が真に信頼できる人って誰だろう?そんなことを思いつつ。2019/12/05
retri_bungakudo
15
生まれてすぐゴミ箱(ダストビン)に捨てられた女の子が、今まで過ごした施設や里親の家を訪ねていく物語... 曖昧な記憶を辿っていろんな人に会っていく中で、時に愛情を確かめられたり、孤独を確認してしまうこともあったり... 一番最初のよりどころである母という存在がないから、自分の根本的なところが不安定で、だからこそ知りたい、でもどうすればいいのかわからないという葛藤... 血や心のつながりとかいろいろあると思うけど、自分を形づくっているのは、出会った人や過ごした場所、その思い出なのかもしれないなと...2019/08/06
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
『マイ・ベスト・フレンド』を読んで著者繋がりで読んだ。主人公エイプリルは、ピザ屋のゴミ箱に捨てられていたところを、アルバイトの男の子に発見される。それが4月1日だったのでエイプリル。福祉の手によって色んな里親を経て、今はマリオンという里親と暮らしている。本当は、頭も良く感受性も豊かな少女だけど、理解されなかったり、運にも恵まれず、「自分」をなかなか表に出せない性格。 誕生日に、里親のマリオンからケイタイをもらえなかったことがきっかけで、エイプリルは、自分の過去を探す旅に出る。 2019/10/11
杏子
5
ゴミ箱に捨てられていた生まれたての赤ちゃん…なんてひどい!かわいそうに、と思うだろうが、そ後、その子が歩んできた道を順にたどっていくうちに、思いは変わっていく。産みの母がいなくても、もうどうでもいい。もっと大切な、愛すべき人たちはたくさんいた… 自分が自分であるために、いてくれた人たちのことを思い、大事にする。自分が生まれた瞬間がゴミ箱であっても救いの手を差し伸べてくれた人はいた。その瞬間こそ、自分が自分として存在してきたときなんだ…そう悟る少女がたまらなく愛しいと思う。頑張れー!と応援したくなった。 2010/07/16
eggs
4
生まれてすぐゴミ箱に捨てられた女の子の今と回想録。14歳の女の子の苦悩と、新しいはじまり。 家族は、血のつながりが全てではない。2019/04/27