出版社内容情報
”不思議殺し(ワンダーキラー)”の名探偵を自称する少女アリス。仮想空間で待ち受ける5つの謎を24時間以内に解けるのか!
内容説明
十歳の誕生日を迎えたアリスは、父親から「極上の謎」をプレゼントされた。それは、ウサ耳形ヘッドギア“ホワイトラビット”を着けて、『不思議の国のアリス』の仮想空間で謎を解くこと。待ち受けるのは五つの問い、制限時間は二十四時間。父親のような名探偵になりたいアリスは、コーモラント・イーグレットという青年に導かれ、このゲームに挑むのだが―。
著者等紹介
早坂吝[ハヤサカヤブサカ]
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作で「ミステリが読みたい!2015年版」新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
165
まあまあおもしろかった。探偵に憧れる少女が、誕生日プレゼントにもらったAR機器で不思議の国のアリスの世界で5つの謎解きゲームに挑戦する連作短編ミステリー。とはいえもちろん、話が進むにつれておかしなことになってくる。最後まで読むと、タイトルに仕掛けられた意味がわかる。ヒントはお母さん。軽いテンポとノリでサクサク読み進められるけど、読後感はスッキリ爽快……とはいかないかな。2020/02/17
ままこ
100
最後の最後まで油断ならない展開を楽しめた。探偵の父親からの誕生日のプレゼントは「極上の謎」謎解きが大好きなアリスはワクワクと挑むのだが…。『不思議の国のアリス』の世界観に見事に融合した本格ミステリ。事細かに配置されてた伏線とそこに繋がるのかと感嘆の回収。サブタイトル追加の含意に気付いてニヤリ。面白かった。2020/03/08
麦ちゃんの下僕
67
「上木らいちシリーズ」以外の早坂作品も読んでみようと。主人公アリスは10歳の女の子ということで、もちろん“エロ”は無く(笑)…VRの世界で『不思議の国のアリス』にまつわる5つの問題を解いていくという物語。ユーモラスな雰囲気の中にも不穏な空気が漂い…やっぱりそう来るか!?と思わせておいての、あの“オチ”ですからね(笑) さすが早坂さん、期待を見事に超えてくださいます!それぞれの謎解きはなかなかの難問ですが、随所に見られる“言葉遊び”は楽しいですし…読後は作品タイトル&カバーイラストの秀逸さに唸らされました!2020/03/21
森オサム
58
「不思議の国のアリス」は読んだ事が無い。なので、アリス物は基本的には苦手なんですが、本作は凄く面白かった。一つ一つのエピソードの謎解きも、良くこんなの考え付くなぁ、と思う様な複雑さでしたが、通して読んだ最後のエピローグの衝撃!。まあ、苦笑、脱力、と感じる部分も有りますが(笑)。ただロジカルのみで押すのでは無く、ちょっと意地悪く捻るのが作風なんでしょうかね?。いずれにせよ良く出来てます、作者は凄く頭が良いんだろうなぁ、と言うのが一番の感想かも。2021/12/25
hnzwd
40
不思議の国のアリスを舞台としたVR空間で謎を解く主人公。五つの謎を解き、名探偵への道が拓けるのか。と、いうあらすじなんでしょうか。アリス世界を舞台としているだけに、全編に流れる奇妙&残酷、なのに何か計算されてる感じ。ラストは、、うん、作者らしい。。最近、アリスモチーフ多いな。2020/04/28