出版社内容情報
韓国の小学校の教科書に掲載されている昔話。
2020年アストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞作家で、
韓国でもっとも注目される作家ペク・ヒナが韓国で有名な昔話の世界を
ユーモアいっぱいに表現した作品です。
昔、深い山奥にあずきがゆばあさんが住んでいました。ばあさんが煮る「あずきがゆ」はとってもおいしく、ばあさんは、「あずきがゆばあさん」と呼ばれていました。ある日、あずきがゆばあさんのところへ、とてつもなくでっかいとらがやってきて、「ばあさんを がぶっと くってやろう」とばあさんを食べようとします。ばあさんは急いで「おいしいあずきがゆをたらふく食べてからわたしをがぶっとくったらいい」と言い、それをきいたとらは山へ消えていきました。やがて冬至になり、泣きながらあずきがゆを煮るばあさんのところへ、くりやすっぽん、それからうんちまで次から次へとやってきて・・・・・・。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
225
ペク・ヒナ、4作目です。著者の新作は韓国の昔話がベースでした。日本の猿蟹合戦と似ていますが、どちらがオリジナルでしょうか❓ あずきがゆを食べたことはありませんが、実家のお正月はお汁粉が定番です。 https://www.kaiseisha.co.jp/books/97840334862082022/10/15
KAZOO
132
今回のペク・ヒナさんの作品は韓国の昔話から題材をとられているようです。とらに食べられそうになるおばあさんをくりやすっぽん、うんちやうす、せんまいどおしやしょいこが助けます。日本の昔話を読んでいる感じでした。起源は同じなのかもしれません。うんちがでてきたのにはびっくりです。おばあさんやトラの人形がいつものように楽しめてくれました。2024/04/04
☆よいこ
104
韓国昔話絵本。紙で作られた人形が表情豊かで、まるでアニメーションを見てるよう▽深い山奥に住むお婆さんはあずきがゆを煮るのが上手だった。春の日、大きな虎があずきがゆばあさんを喰いにきた。お婆さんは「あずきがゆをたらふくたべてから わたしをがぶっとくったらいい」と言い誤魔化す。冬になりお婆さんはあずきを煮ながら泣き出した。そこへ栗、スッポン、うんち、千枚通し、石臼、むしろ、しょいこがやって来て、おばあさんからあずきがゆを食べさせてもらい、助けを約束する▽あとはさるかにパターン。韓国のあずきがゆは塩味。2022/12/05
とよぽん
75
ペク・ヒナさんの真骨頂!作り込みがすごい。このおばあさんやトラ、昔の小さな家、細部に心が行き届いているのだ。わらしべ長者のような? 情けは人のためならず、というお話の展開だった。あずきがゆ、食べたくなった。砂糖味がいいかな。2022/11/20
天の川
61
紆余曲折を経て(というほど大げさなものではないが…)、手元に届いた。ペク・ヒナさんが挿画を担当している本。おばあさんの皺深い顔は和紙?の皺やよれで雑妙に表現されている。左頬のシミがまた♪おばあさんを食おうとする虎は、張子の虎っぽくて、怖いというよりユーモラス。おばあさんを救おうとする栗(上下が日本とは逆!)やすっぽん、ウンチなども何だか可愛い。韓国のあずきがゆは、ほんのり塩味の小豆を炊いただけのものだとか。お隣の国でも食文化はずいぶん違うなぁと思った。ペク・ヒナさんの絵本、これからも追いかけたい。2022/11/19