出版社内容情報
おおきな湖のまんなかに、ぽっかり浮かんだちいさい島は、だれも知らない「ねこのしま」。夏の満月の夜、ごせんぞさんをおむかえして、盆おどりをするのです。
みんなで浜辺にあつまって、いっせいに目を光らせると……湖のむこうから、ぎょうさんきはった、ごせんぞさんや。
おひさしぶり ごきげんさん
あいたかったわ わたしもや
きれいなお月さんがのぼるころ、みなさんお待ちかね、たのしい盆おどりがはじまります。
ねこの おぼんは みょうみょうみょう
ねこはぎ ねこのめ ねこじゃらし
ねこの なまえは せかいいち
からすのえんどう へびいちご
おおいぬのふぐり なんやそれ
月あかりの下、おじいさんもおかあさんも、こどもたちもあかちゃんも、ごせんぞさんも、みんなであつまっておどります。空が白くなって、夜があけるまで、ずっと……。
夏の風物詩・盆おどりを、力強い絵とやわらかな関西弁で生き生きと描いた絵本。
内容説明
あいたかったわ、わたしもや。あの世もこの世もおどりだす年にいちどのぼんおどり。4歳から。
著者等紹介
はやしますみ[ハヤシマスミ]
1968年京都府宇治市生まれ。京都精華大学美術学部デザイン学科卒業。ギャラリーVie絵話塾5期絵本コース修了。第10回ピンポイント絵本コンペで優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
anne@灯れ松明の火
43
ブックハウスカフェさんで、林さんが出している「ますます通信」をもらい、気になっていた。タイトル通り、猫のお盆のおはなし。これを人間で描くと、こんなに楽しくはならないだろう。猫にしたからこそ、楽しく、明るく描けた。でも、もちろん、ラストの別れはしんみり……。読後、ますます通信を読み返すと、もう一度作品を読みたくなる。「絵本にはあとがきはいらない。すべて、絵本に込めるもの」と聞いたことがあるが、こういう苦労話や作者の思いを知れるのもいいものだ。また、お盆の時期に読みたい。2019/10/30
hundredpink
36
ねこのお盆2019/09/06
yumiha
34
猫のぼん(関西弁の「坊や」)のお話だと思っていたら、猫のお盆だった💦キュウリの馬でやってきて、ナスの馬で帰るご先祖さまを交えての盆踊りのにぎわい。どのページも猫がいっぱい。楽しい絵本だった。2020/06/15
わむう
32
島の猫たちがお盆の日、先祖を迎えるため、お盆の風習を伝える絵本。きゅうりとなすびで乗り物を作り、盆踊りの準備をします。日が暮れると亡くなった先祖たちが訪れ、月明かりのもと盆踊りが始まり、みんな朝まで歌って踊り続けます。夜が明けると先祖たちは、なすびの牛にのって帰っていきました。2020/10/12
ヒラP@ehon.gohon
30
ねこの世界のお盆のお話です。 いろんな思いが凝縮されていて、どのページを開いてもしみじみしてくるのは何故でしょう。 ご先祖様を知らない猫たちが、このように年に一度再会しての大宴会。 お囃子のような文章も、猫たちのそれぞれの会話も味わい深く、つきません。2020/10/30