出版社内容情報
若者は、友を得て童話を書き続け、日本児童文学の新しい扉をひらく着想を得た。「コロボックル物語」の作者 佐藤さとるの自伝小説。
内容説明
戦後まもない昭和二十四年、市役所に就職した青年は新しい長篇童話を志し、やがて、日本を代表する児童文学作家となった。現代児童文学のはじまりの時代、創作と生活の日々をみずみずしくえがいた佐藤さとるの自伝小説。
著者等紹介
佐藤さとる[サトウサトル]
1928年、神奈川県に生まれる。学生のころから童話を書きはじめ、のちに平塚武二に師事する。1950年に、長崎源之助、いぬいとみこ、神戸淳吉らと同人誌『豆の木』の創刊にかかわる。教員、編集者などを経て1959年に『だれも知らない小さな国』を出版する。以降、現代ファンタジー文学の第一人者として活躍し、毎日出版文化賞、厚生省児童福祉文化賞、野間児童文芸賞、巌谷小波文芸賞、エクソンモービル児童文化賞、赤い鳥文学賞など数々の賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はな
47
図書館本。佐藤さんの自伝。どうやってコロボックルの物語を書くように至ったのか、奥さんとの出会いだったりととても素敵な話だった。作家になるためにいろいろな道を通って夢をかなえる姿なんかは子供たちにも読んでもらいたい。てのひら島の物語きちんと読みたいです。2016/05/28
更紗姫
37
底がぱっくり割れて履けなくなった靴の代わりが入手できない、下駄で出勤して上司に叱責される・・・ 戦後4年 戦没者遺族の余裕のない暮らしぶりに胸を衝かれた。そんなご苦労の中、童話を編み続けた心根の強靭さ、思いの深さに圧倒される。敢えて<加藤馨>を綴る事で、少し突き放した筆致なのは、これも技巧なのだろう。けれども奥様とのエピソードでは、仮面が外れ、熱い<佐藤暁>が垣間見えて微笑ましい。運命の出会いって本当にあるんだ~嘆息。 「あっ、せいたかさん見ぃつけた」「おちび先生も、ここにいた!」2017/03/26
ナディ
31
自伝小説ということで手にした。淡々と書かれているが、やはり戦中戦後の激動期を生きてきた人の人生はすごい。いいなあ。 「作品は書こうと思い続けていれば必ず生まれる」この言葉にじんときた。2016/06/11
きらら@SR道東民
31
戦後、靴も買い換える事が出来ないほど貧困な中、児童作家になる夢をずっと温め続け、運命の出会いとなるコロボックルの誕生の物語。自伝的小説の主人公の筆名が、本名の佐藤さとるさんとしている遊び心がとても素敵です。佐藤さとるさんの児童小説に出会えた事は、私の宝物です。2016/04/26
かおりん
21
自伝なのに小説みたいに読める創作。加藤馨、佐藤暁、佐藤さとると名前やペンネームを使い分け、童話の中でも主人公として出てくる。あの著名なコロボックルの話が出来るまでの葛藤や着想が興味深い。アイヌの人たちはコロボックル、大和の人は少彦名命(すくなひこなのみこと)と伝えた神様は同じ神様だった。2017/07/01
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