出版社内容情報
「この業界は腐りきってます」。同業者の証言から不正の実態まで、ウソに塗り固められた不動産投資の世界を徹底的にルポ。「家賃保証」「自己資金ゼロ」「高利回り」すべてウソだらけの手口から身を守る方策まで、現場を知悉する報道記者が詳細に伝授。
内容説明
誰がどれだけワルなのか?腐りきった不動産業界のタブーに斬り込む!「投資に興味」と「老後の不安」があるなら、次に狙われるのはアナタの番だ―。エリートをハメて田舎のボロ物件で4000万円荒稼ぎ、水も出ない新築を買わせてそのままバックレる、やったモン勝ちの不正業者は高卒でも年収3000万円、営業スマイルという仮面で隠した「本性」を暴く!
目次
はじめに―一流エリートが“カモ”にされるワケ
第1章 「長期保証」で油断させる
第2章 「今がチャンス」と錯覚させる
第3章 「リスク」から目をそらす
第4章 「不正」には気づかせない
第5章 「高利回り」と見せかける
第6章 「ウソ」は堂々とつく
第7章 それでも投資したい人のために
著者等紹介
藤田知也[フジタトモヤ]
朝日新聞記者。早稲田大学第一文学部卒、同院アジア太平洋研究科修了後、2000年に朝日新聞社入社。盛岡支局をへて02~12年に『週刊朝日』記者。経済部に移り、日銀・金融などを担当。18年4月から特別報道部に所属し、シェアハウス投資・スルガ銀行不正融資問題などを取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
83
「泥棒をするときに一番悪いのは泥棒だが施錠をしなかった方も悪い」という印象を受けた。マンション投資のための融資を銀行から受けることは、消費者ではなく事業者である。特に「1物件1スキーム」のような画を描いた人はグレーゾーンすれすれでやっていたわけであるから、自己の財産をもって赤字を償うべきだと思った。そんなことで被害者団体を作るヒマがあったら、事業者のはしくれとして貸し手の銀行と交渉するか破産なりの法的手続きをすれば。私人間の取引について国会で取り上げるなんて論外。誰も私有財産の管理をしなくなる。2019/06/23
けぴ
54
勝間和代本で投資勉強後読む。結論としては投資で一番やってはいけないのが不動産。株や投資信託などは損をしても想定範囲ですが、不動産は想定範囲外の損をして人生を棒に振る。相場より高く物件を売りつけ顧客の預金通帳を改ざんして自己資金があるように見せかけて銀行にローンを組ませる。銀行側もスルガ銀行を中心に不正と分かっているのにローンを承認。やがて予想より少ない家賃収入で利息も払えず借金地獄。摘発されても会社名変えて同じことを繰り返す。こんな実態を知っていながら見て見ぬふりをする国土交通省や東京都が一番のワルかも。2021/11/03
よしたけ
51
「カボチャの馬車」「スルガ銀行不正融資」を筆頭に、不動産投資失敗例を紹介。実際に不正に手を染めた営業マンにリアルな手口を語らせている。もちろん業者も悪いが、全ての責任は投資家にあると、徹頭徹尾、警鐘を鳴らす。年収数百万円を稼ぐため毎日必死に働くのに、なぜ時には1億円を超える投資に対し、業者から提示された情報を鵜呑みにしてしまうのか。最低限、自分で物件を見に行く、家賃妥当性を確認する、など当たり前の実践でかなりのリスクは逓減できる。私は業として不動産投資に取組んでいるが、初心に帰るにはお誂え向き。2022/07/03
harass
50
カボチャの馬車事件を中心に、アベノミクス、日銀低金利で湧いた不動産ブームに取材した著者のルポルタージュ。仲介手数料を稼ぐ悪質な不動産業者たちの手口と被害者たち。けっこうな高収入の被害者が多い。最終章にそれでも不動産投資をする場合のアドバイスがある。実際に見て買え(当たり前だと思うがそうじゃないそうで…)相場が安い不況で買うことと、やはり、身の丈にあったものを買うこと。良書。2023/08/24
トンちゃん
22
【図書館本】不動産投資の業者にとって不都合な真実を赤裸々に明かした1冊。業者こわ…普通に詐欺事件起こしてて免許剥奪なくやり過ごせてしまってる現状が恐ろしい。行政のリソース不足、詐欺事件として証拠を押さえるのが難しいといった様々な事情があるのでしょうけど…。今まで読んできた不動産投資本は、こうすると良いよ!なんて調子のいい事ばかりでデメリットはほんの軽く囁く程度にしか書かれてませんでした。ま、それが普通だよね。本社は反対で不動産投資を思いとどまらせてくれる1冊。それでもやりたければ凄く慎重にねと著者は言う。2020/07/02