出版社内容情報
【語学/日本語】コンビニで使われる敬語が一般化している。京助・春彦に続く日本語研究3代目の秀穂が、言葉の謎に分け入って変化や揺れを探っていく。辞書編集の老舗家系としては、これからの言葉が変わる予感もあり、IT化時代の外国語と日本語、といったテーマにも肉薄。
内容説明
ファミレスでの接客や若者言葉、「なんだか変?」と思いますか。日本語の将来は明るいのか!?国語研究の老舗・金田一家の三代目が、変わる日本語に喝!百年を超える辞書編纂の“家業”を背に、言葉の海をウオッチ。変えてはいけない「根幹」とは何か。日本語の面白さとは?金田一家の歴史と合わせて、みっちり解説。
目次
第1部 今の日本語はどんな姿か(平成のことばたち;辞書はどうなるべきか;IT時代の日本語)
第2部 日本語三代(初代の京助;二代目の春彦;親子ニホンゴ対話;三代目・秀穂のでき上がり)
著者等紹介
金田一秀穂[キンダイチヒデホ]
1953年東京に生まれる。上智大学心理学科卒、東京外国語大学大学院修了。杏林大学外国語学部教授。中国大連外語学院、コロンビア大学などの講師、国際交流基金日本語国際センター客員講師、ハーバード大学客員研究員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinupon
88
金田一家三代にわたる流れがわかるような気がします。それぞれ個性があり、これぞ金田一家という感じがします。2016/06/24
しゅわ
43
【図書館】テレビのクイズ番組とかでよくお見かけする、ちょっとお茶目なオジサン…実は辞書の金田一家の三代目…という認識しかなかったのですが、最近 辞書関連の本を何冊か読んだので、こちらも!?と手に取ってみました。冒頭でも触れられてますが、三代目といっても会社や地盤があるわけでもない“日本語研究者”であり、偉大すぎる祖父&父がいるからイロイロ大変そうですが、そのプレッシャーを感じさせないのが金田一先生のスゴさかもしれません。2015/01/02
テツ
26
ラジオでお話を拝聴して面白かったので著書も読んでみた。半可通の市井の民間言語学者の方々(あ。厭味ね)とは違って、日本語という存在について求道し続けているプロの言語学者の方は、僕らが不自然に感じる日本語の用法についておおらかなんだなあという印象。言葉は人間が生み出し人間とともに変化していく存在なのだから、その意味に固執することなく変化を興味深く楽しむくらいが正しいスタンスなのかもしれませんね。知ることと知識に対する貪欲さと敬意を払うことを忘れない金田一さんの生き方が好きです。2018/04/03
Kentaro
25
「ありえなーい」こんなリアクションをよく耳にする。これは単にびっくりしたとか驚いたという意味ではない。例文を示そう。「某タレントのテレビ番組のドタキャンはありえない」学生に印象を聞くと、十分あり得るから例文とならないという。こういった文章の使い方を確認していくプロセスをネイティブチェックという。試しに学生に例文を作ってもらう。「今日の合コンの相手ありえなーい」自分達の相手として相応しくないという意味だ。「昨日、嵐見に行っちゃった」「えー、ありえなーい」は、嵐のコンサートの行けるなんて羨ましいという意味だ。2019/03/20
マッキー
20
最近はやりの若者言葉、「よろしかったでしょうか」「~になります」などのコンビニ言葉についての解説が興味深かった。これらの日本語は「まちがっている」というわけでもなく、ただ単に直接的な表現を避け、マイルドにしたものなんだろう、おそらく。「言葉の乱れ」ではなく「変化」なのだと、そう述べていた。古文単語も現代と昔で意味が違うの、ありますし。2017/12/15