感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
33
「百鬼夜行抄」第七巻。「二つの箱」「とぎれた蔓」「小さい虫」「鬼の嫁取り」「白い顎」「夜泣きの桜」の六編。律の祖父母の馴初めが描かれている「鬼の~」が一番好き❤️お祖母ちゃんとその血を色濃く受け継いだ絹さん、なるほどなぁ…と。「白い顎」は孝弘さんの実家に律が行く話、これも怖いながらも情感溢れてました。「夜泣き~」は律、従姉一の司、従姉二の晶、三人揃って霊感が増幅!怖かったけど良い話でもあったかな!青嵐が満腹になったし(o^O^o)。2021/05/02
糸車
28
以前舌切り雀のつづらの話を娘としたことがあったんだけど、「ふたつの箱」にも出て来た。箱の中身は大きさじゃなくて”持ち帰る人”で決まっていたというのがわたしの持論だったので、紫保さんの説を支持するわ。遠回りしたふたりがやっと幸せをつかめそうでよかった。そして嫌なやつがきっちり懲らしめられたのですっきり~。「鬼の嫁取り」、蝸牛さんと八重さんの馴れ初めににやり。霊感が全くない人がある意味とても強いんだと達観する若かりし日の律の祖父の孤独を思うと寂しさがある。2016/01/16
眠る山猫屋
24
律がだんだん積極的に巻き込まれていくようになってきた(笑)人間が作り出す負の環境に、妖怪や死霊が引き込まれていくように。いや、妖怪たちの方が冷静に見極めているのか。感情に流されているのは人間やそのなれの果てばかりかも。律もコントロールできない司への気持ちに振り回されています。あれほど強く見えたお祖父さんも若い頃は、感情を抑え切れなかったのだから、仕方ないのか。較べてお母さんの絹さんは楽観的で明るい分、暖かい感情で満たされているからブレないのかな。2017/09/24
アイシャ
20
律の祖父である怪奇幻想作家の蝸牛とその妻八重子とのなれ初めの話『鬼の嫁取り』がおもしろかった。他の家族が怖れて近づかない飯嶋家で妖怪の影響を受けていないように見える律の祖母と母は不思議な人たち。多分まったく気づかないのではなく、わかっていても怖れていないようだ。蝸牛の姉が「いつかあんたの悪い運命を打ち壊すくらい強い運命を持った人間が現れるわよ」と予言している。八重子ばあちゃんは最強なんだな。楽しみにしていた開さんや、晶ちゃんの恋人三郎さんが登場せずに残念でした。2020/04/13
いおむ
12
嫁棚本。司ちゃんに彼氏が!?律が結構動揺をあらわにしたのが面白い。祖父と祖母の馴れ初めを描いた『鬼の嫁取り』も良かった。これにならうなら律も彼女にするなら、霊感の全く無い対極の彼女を選んだ方が良い気もする^^;2024/02/08