出版社内容情報
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中学教師の檀は、猫を愛する妙な二人組の小説原稿を生徒から渡される。さらに他人の未来を観る力を持つことから謎の集団とも関わり始め……。
苦い過去を乗り越えて檀先生は、世界を、自分を救えるのか!? 毎ページすべてが楽しく愛おしい、一大エンターテイメント!《解説・大矢博子》
内容説明
中学教師の檀は、猫を愛する妙な二人組の小説原稿を生徒から渡される。さらに他人の未来を観る力を持つことから謎の集団とも関わり始め…。苦い過去を乗り越え檀先生は世界を、自分を救えるのか!?全ページ楽しく愛おしい、一大エンターテインメント!
著者等紹介
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971年千葉県生まれ。作家。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、08年『ゴールデンスランバー』で本屋大賞と山本周五郎賞、20年『逆ソクラテス』で柴田錬三郎賞を受賞。21年本作『ペッパーズ・ゴースト』が宮脇書店主催のいま読むべき本“ミヤボン2021”に選出される。英国推理作家協会賞(CWA賞)に2回最終候補になるなど国外での評価も高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いなばさくら
158
長編サスペンス・ミステリ。伊坂幸太郎さんの単行本は全て読み終わっているので、ずっと新刊待ちの状態でお預けをくっているのですが、我慢しきれず文庫化された本作を購入。単行本を読んだのは2年以上前なのでうっすらとしか覚えていなかったのも奏功しました。一面的に悪党とは言えない悪者コンビ、ウイットに富んだ会話、絶妙なところで痛みを回避する残虐シーン、いかにも伊坂さんらしい内容です。こういうの、好きなんだなあ。ちなみに単行本の新刊は2025年1月22日発売、「楽園の楽園」という書下ろし短編らしいです。楽しみ!2024/12/07
ふう
95
伊坂氏はまたいつものように、作品の中に「希望」をいくつも詰め込んでくれました。ネコジゴ・ハンターの存在も、先行上映の特殊な力も、苦しんだり悲しんだりする人や動物たちを少しでも減らせるかもしれない。誰かが動けば、きっと「救いはない、抜け出せない」という場所から抜け出せるかもしれない。ひどいできごとはニュースになりやすいけど、実際にはそれよりもっとたくさんのいいできごとがわたしたちの周りにある。本当にそうですね。作中作の構成も、登場人物のつながり方もおもしろくて、さすが伊坂さん、という感じでした。2025/02/13
nobby
90
良くも悪くも伊坂幸太郎を味わえる1冊。ある中学教師が苦悩する日常と、「ネコジゴ・ハンター」という突飛なファンタジーがあらたな作中作として並ぶ構成への脳内混乱を楽しめる。その現実パートも内閣情報調査室によるテロ対策に繋がり、その発端となるのは〈先行上映〉なる限界多き超能力で、そしたら架空人物ロシアンブルにアメショーが実際に登場して交錯!こんな物騒で複雑で不思議な事象を夢中で読ませるのはスゴい!ただ…ニーチェを基に現在の世相などに切り込むのがやっぱり苦手…あと憎たらしい強打者は完全に王求を思い浮かべてた(笑)2025/01/02
H!deking
73
いやー久しぶりの伊坂さん。そうそうこれを待ってたんですよー!って感じでしたね。シアンとアメショーの掛け合いとか伊坂節で好みど真ん中でした。俺の人生も誰かの書いた小説の一ページなんだろうな笑2024/12/23
piro
64
特殊能力、合法的では無い人々、どんでん返し…。伊坂幸太郎的エッセンスがぎっしり詰まった一作は、過去の伊坂作品へのオマージュにも感じる楽しいエンターテイメント作品でした。誰かの明日の一場面を「先行上映」で見る事ができるという中学教師・檀先生に起きる事件。生徒が書いた、猫を虐待した犯人を懲らしめる二人組を描く作中作。それらが絡み合い、想定外の展開が途中から一気に加速する面白さ。タイトルの意味を知り「おっ!」。そして最後には何だか明るい未来の「先行上映」を見た様な気持ちになりました。お約束のカメオ出演も嬉しい!2024/12/15